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党首討論、半分以上は「一体改革」に費やす

2012年2月29日 21:32
党首討論、半分以上は「一体改革」に費やす

 国会で29日午後、野田首相(民主党代表)と自民党・谷垣総裁らとの党首討論が行われた。討論の半分以上は「社会保障と税の一体改革」に費やされた。政治部・佐藤圭一記者が報告する。

 野田首相「御党(自民党)の24日に発表された、政策ビジョンと来年度予算への対応という文書を拝見した。将来の償還財源を明確にした上で、赤字国債を今回充てて財源にすると。『将来の償還財源』というのは、これは間違いなく消費税であると、ここで明確にしていただいてよろしいですか」

 谷垣総裁「その通りです。間違いありません」

 野田首相「国会審議じゃなくて、与野党協議がいいと思うのは、こうやって私からも質問できるからです。与野党協議は互いの意見を聞き合うことができる。非常に今、私はいいご答弁をいただいたと思う。一緒に消費税率を引き上げるために、通すために、努力しようじゃありませんか」

 谷垣総裁「首相が本当にやれるのか、我々も注目しています。だけど一番の問題は、首相は足元が乱れてきているじゃないですか。民主党・小沢元代表は相当なことを言っておられますよ。法案の閣議決定や採決の反対を明言しているじゃないですか」

 野田首相「お互いに党内はいろいろあると思いますが、51対49でも決めたらしっかり協議する。ぜひ皆さんもそうしていただきたい」

 党首討論では、「一票の格差是正問題」や年金改革と消費税をめぐっても一致点を探ろうとする2人の意思が感じられた。

 2人の議論について、藤村官房長官は29日午後、「徐々にかみ合っている」と感想を述べている。

 25日に行われた2人の極秘会談も、消費税増税など大きな政治課題を2大政党の話し合いで解決できる可能性があるのか、「直接、相手の覚悟を探り始めた会談」になったとみられる。

 年が明けても野田首相の支持率下落に歯止めがかからず、「この状況ではとても消費税増税法案に賛成はできない」と話す民主党議員も増えている。また、小沢元代表が消費税増税法案に反対する姿勢を強めており、党内をまとめていくのは困難を増している。

 一方の谷垣総裁は早期に衆議院解散に追い込むという戦略をとっているが、消費税増税の必要性は深く理解していて、この2人の「何か突破口を見いだしたい」という共通の思いから今回の極秘会談が実現したとみられる。ある関係者は「今後、政治情勢が混沌(こんとん)とすることが予想される中で、まずは直接会って今後につなげていこうとなったのだろう」と解説している。