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与野党トップ極秘会談の狙いは 記者解説

2012年2月29日 23:58
与野党トップ極秘会談の狙いは 記者解説

 野田首相(民主党代表)と自民党・谷垣総裁が25日に極秘に会談していたことが、日本テレビの取材でわかった。党内でそれぞれ事情を抱える与野党のトップ2人がこの時期に会う狙いは何か、政治部・佐藤圭一記者が解説する。

 消費税のみならず、国会議員の定数削減など直面する政治課題を解決できない今の政治に「何か突破口を見いだしたい」という共通の強い思いが、2人のトップにあるとみられる。しかし、29日夜には、民主党内からは「一筋縄ではいかない」と厳しい見方も出ている。また、自民党内からは「会談するにしても、民主党内がもっと混乱したときに会うべきで、今は早すぎる」などと、谷垣総裁に批判的な声も上がっている。

 2人とも会談の事実を認めていないが、こうした批判が強まることも予想されるためだ。

 29日には、野田首相と谷垣総裁の党首討論が行われた。これまでと違い、建設的な議論も見られた。野田首相の周辺も29日夜、「討論を終えた野田首相も、充実した感じだった」と話している。

 また、谷垣総裁が「民主党内をまとめきれるのか」とただしたのに対し、野田首相は党内の過半数が賛成すれば消費税増税法案の成立を目指す覚悟を表明した。この発言は、民主党・小沢元代表らがたとえ反対しても、突き進む覚悟を示したものと受け止められる。

 2人の距離が縮まるかどうか、現時点で政界の見方は分かれているが、こう着した政治状況に変化をもたらす可能性もある。