消費税増税法案の閣議決定を３０日に控え、野田首相と与党・国民新党の亀井代表が２９日夜、約２時間にわたって会談した。亀井氏は、閣議決定した場合は民主党との連立を解消する考えを伝えた。

　会談で亀井代表は、消費税増税法案にはあくまでも反対し、閣議決定した場合には民主党との連立を解消する考えを伝えた。亀井代表は２９日午後１０時１５分頃、記者団に対して「国民新党は国民との『消費増税をしない』という約束を破るわけにいかない。連立を解消させてもらいますと。これに対して野田首相は『それは困る』と（慰留した）」と述べた。

　その一方で、亀井代表は、国民新党から入閣している自見金融相ら３人については、党を離れて無所属となった上で、引き続きその職に当たってもらうと提案したという。

　これは、消費税増税法案への反対の姿勢を貫きたい亀井代表と、閣僚として職務を果たしていきたい自見金融相双方の顔を立てる形での苦肉の提案となったもの。自見金融相自身は、あくまでも３０日の閣議決定に署名する考えだった。自見金融相は野田首相と亀井代表との会談に先立ち、同僚議員に「命がけでサインする」と語っていた。

　野田首相はあくまでも消費税増税法案を３０日に閣議決定する方針だが、亀井代表の提案にどのような回答をするのか。３０日午前７時半から再会談が行われる。