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小沢氏裁判で控訴、政界の影響は?

2012年5月9日 19:45
小沢氏裁判で控訴、政界の影響は?

 民主党・小沢元代表が政治資金規正法違反の罪に問われた裁判で、検察官役の指定弁護士は9日、東京地裁の無罪判決を不服として控訴した。今後の政界にどのように影響するのだろうか。政治部・佐藤圭一記者が解説する。

 裁判が長引く結果になったことで、小沢氏の政治的な復権に向けた道のりは再び険しくなったと言ってよさそうだ。控訴の判断を受け、小沢氏に近い議員らは「どういうことなんだ」「どっと疲れが出た」などと動揺を隠せなかった。つまり、小沢氏サイドは「控訴はない」とみていて完全な誤算だったわけだ。

 一審で無罪を勝ち取った後、伊勢神宮(三重・伊勢市)を参拝するなど、小沢氏本人も「復権」に向けた意欲をうかがわせていたが、裁判の長期化で影響力や発言力は限定されることになる。

 小沢氏は、自らの党員資格停止処分が解除されることから9月の民主党代表選挙への出馬も検討していた。しかし、周辺からも「裁判をしながら代表選というわけにはいかない」との声が上がっていて、今後の政治活動にも影響が出る可能性もある。

 民主党幹部は「控訴は想定の範囲内だ」と話しているが、今後、処分解除の決定のタイミングが妥当だったのかどうか党内外から批判も出そうだ。

 消費税増税法案の成立に向けて野党・自民党の協力を得たい野田首相だが、小沢氏に党員資格を戻す一方、野党が強く求めている証人喚問には応じないという民主党や野田首相の姿勢に対し、野党は批判の声を強めている。