×

G20サミット開会 欧州信用不安がテーマ

2012年6月19日 8:50

 メキシコで現地時間18日、ヨーロッパの信用不安が最大のテーマになるG20サミット(=主要20か国・地域首脳会議)が、野田首相も出席して開会した。ギリシャなどヨーロッパの財政危機に効果的な処方箋を示せるのか、市場が厳しく見つめる中での首脳会議となる。

 初日は、ヨーロッパの債務問題への対応が議論される予定。先日のギリシャの出直し選挙で財政緊縮派が勝利したことで、各国にはひとまず安堵(あんど)感も漂っているが、ヨーロッパの信用不安が払拭されたわけではない。ドイツやフランスなど、今回参加しているヨーロッパ各国に対して厳しい注文がつく可能性があり、G20が一致して力強いメッセージを出せるかが焦点になる。

 これに先立って野田首相は、ロシア・プーチン大統領と初めての首脳会談に臨んだ。野田首相は、プーチン大統領と共通の趣味である柔道の話題も持ち出して、日本のオリンピック代表チームのユニホームをプレゼントした。個人的信頼関係を築きたい狙いだったが、会談後、野田首相は記者団に対し、停滞していた北方領土交渉を再開することでプーチン大統領と合意したことを明らかにした。

 野田首相「個人的な信頼関係を作る第一歩となった会談。これからも頻繁にお会いしていきたいと思います。領土問題の議論については、再活性化をしていこうと一致した」

 野田首相は、消費税増税法案をめぐる国内の緊迫した政治状況にもかかわらず、自身の強い意思でサミットへの出席を決めた。財政再建に取り組む日本の強い決意を示し、G20の協調を促したい考え。