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「新しい民主党」首相、閣僚に結束呼びかけ

2012年7月3日 19:56
「新しい民主党」首相、閣僚に結束呼びかけ

 民主党・小沢元代表ら50人が離党届を出し、党の分裂という事態になったことを受け、野田首相は3日の閣議後の懇談会で、閣僚に結束を呼びかけた。この際、野田首相は「新しい民主党」という言葉を使った。首相周辺は「小沢氏がいなくなった、ここからが本当の民主党のスタートだ」という意味を込めたかったのではと解説している。

 藤村官房長官「(首相から)ある意味で新しく民主党を立て直すという気持ちで自分は取り組んでいきたいと。政府、内閣においても引き続き緊張感を持って協力を願いたいと」

 玄葉外相「今回のようなことを契機に、民主党が責任ある改革政党に脱皮する、進化する、発展する契機にすべき。決して悲観していません」

 野田首相の呼びかけの後、閣僚は座ったまま一礼したという。

 その後、野田首相は民主党・輿石幹事長と会談を行った。離党届を出した議員について、官邸サイドは近く、除籍処分にしたい考え。混乱にけじめをつけ、自民・公明両党の協力を得て、消費税増税法案の成立を急ぎたい考え。

 一方、小沢氏は自宅を出た後、側近議員らと新党立ち上げの時期や参加議員をどう増やすかなどの戦略を練っているものとみられる。

 自民党は、消費税増税法案成立の後に、一日も早い衆議院の解散・総選挙を迫っていく方針を確認した。

 また、公明党・山口代表は「当面の局面からすると、国会の審議そのものが止まっているわけです。当面ですら、このような停滞を招いているわけですから、今後、大事な課題について、与党として責任を持って決断し、野党にも協力を求めて国会を運営していけるのか、政権を運営していけるのか、ここの責任感を問いたいと思います」と述べ、民主党の事情で国会審議が停滞していることを厳しく批判した。

 野田首相は周辺に「まだまだ道は険しい」と話している。自身が目指す「決められない政治からの脱却」までの道のりは、まさに佳境を迎えているといえる。