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鳩山氏、首相に不出馬伝える 政界引退へ

2012年11月21日 16:18
鳩山氏、首相に不出馬伝える 政界引退へ

 民主党・鳩山元首相は21日午後1時過ぎから、民主党本部で野田首相と約10分間会談し、来月の衆院選に出馬せず、政界を引退する考えを伝えた。

 野田首相「鳩山元代表からは、様々なことを考えて考え抜いた揚げ句、今回の衆院選には立候補をしないという決断をいたしましたと。そして、政界を引退し、第三の人生を歩みたいと」

 会談で野田首相は、「多大なる貢献に感謝します。元首相、元代表の決断を重く受け止めます」と話し、鳩山氏は「古い政治に戻すことのないよう政権交代でやろうとしたことをしっかり前に進めてください」と語ったという。

 衆院選にあたって、民主党執行部は、消費税率の引き上げやTPP(=環太平洋経済連携協定)の交渉参加に向けた協議促進など党の方針受け入れを公認の条件としている。「党議を踏まえて活動する」と明記された申請書への署名・なつ印を求める執行部に対し、鳩山氏はぎりぎりまで出馬を模索してきたが、結局、溝は埋まらなかった。

 自民党・安倍総裁は21日午前、「(民主党が)自分たちのイメージアップのために、鳩山さんをある意味において、トカゲの尻尾切りふうに、辞めざるを得なくなる方向に持っていったのかな」と話した。

 相次ぐ離党者に加え、今回の鳩山氏の出馬断念は選挙での逆風にさらされる民主党の現状を改めて浮き彫りにしたとの指摘も出ている。

 鳩山氏は21日夕方、地元の北海道・苫小牧市で記者会見を行い、不出馬の理由などについて説明する予定。