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早期の経済再生なるか~安倍政権の試金石

2013年1月2日 9:01
早期の経済再生なるか~安倍政権の試金石

 今年、国内政治では、7月に実施される見通しの参議院選挙が大きな節目となる。3年3か月ぶりに政権を奪還した自民党は、「ねじれ国会」の解消を目指し、安倍首相の下で参議院の過半数獲得を目指す。政治部・佐藤圭一記者が展望する。

 安倍首相は、「経済再生」を最優先の課題に掲げた。参議院選挙が控える今年夏までに景気を上昇気流に乗せられるかが最大の焦点になる。

 安倍政権はまず、10兆円規模の大型補正予算案を年明けただちに編成し、早期成立を目指す。7月に予定される参議院選挙はもちろんのこと、4月から6月の経済が悪ければ、来年4月からの消費税率引き上げも不透明になってくるだけに、国債を増発してでも即効性が期待できる大型の景気対策を打つ方針。

 07年の安倍首相退陣は、同年の参議院選挙で民主党に敗北したことが大きな要因だった。しかし、今回、民主党は、衆議院選挙での惨敗をなお引きずっている。参議院選挙に向けて他の野党と選挙協力せざるを得ない状況だが、離党した小沢氏らの生活の党と組むのか、それとも日本維新の会やみんなの党と組むべきなのか、路線をめぐって党内の対立が再び激化する可能性がある。

 強い野党がいない中、安倍首相にとっては、持論である憲法改正や集団的自衛権の解釈見直しなどをめぐって、主張が異なる公明党との関係は不安材料といえる。しかし、こうした微妙なテーマについては、「参議院選挙の後まで封印するだろう」との見方が自民党内では大勢となっている。

 2度目の挑戦となる今回は、謙虚に、しかし一方で長期政権も視野に入れる安倍首相にとって、早い段階で経済再生を実現できるかが最大の課題となる。