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日米同盟の強化で対中関係を安定軌道に

2013年1月3日 13:23
日米同盟の強化で対中関係を安定軌道に

 安倍政権は、年明けから本格的なスタートを切る。外交のかじ取りでも、安倍首相の手腕が問われている。今後の課題と取り組みについて、政治部・菊池正史記者が報告する。

 安倍首相が最初の訪問先として調整を進めているのはアメリカ。民主党政権で沖縄の基地問題が混乱し、日米の信頼関係が損なわれたと指摘しており、オバマ大統領との会談で同盟関係の再強化を目指す。この戦略には、沖縄・尖閣諸島をめぐる問題で対立が続く中国との関係を安定軌道に戻す狙いもある。

 安倍首相は、強固な日米同盟を武器にして中国をけん制したい考え。しかし、ある外務省幹部は「同盟強化には、アメリカにとってのプラス材料が必要だ」と指摘している。

 その材料の一つが、アメリカが推進するTPP(=環太平洋経済連携協定)。ある側近は「訪米までに交渉参加への道筋をつけようとしている」と述べているが、反対派も多い党内をまとめていく力量が問われる。

 もう一つ大きな課題は、北朝鮮による拉致問題の解決だ。安倍首相はこれまで「北朝鮮への制裁は緩めない」と強調してきたが、目に見える成果はない。党内からも、圧力に軸足を置いた手法に疑問の声が出ており、実効性のある戦略と成果が求められる。

 常に強硬姿勢をアピールしてき安倍首相。柔軟に、したたかに成果を出していくことが求められている。