国会で３１日、野党が多数を占める参議院の本会議で安倍首相の所信表明演説に対する代表質問が行われた。自民党・中曽根参院議員会長は中国の急速な軍備増強などへの政府の対応をただした。

　これに対し、安倍首相は「中国の透明性を欠いた軍事力の増強や海洋活動の活発化は、我が国を含む地域の共通の懸念事項です」「中国との様々な対話や交流を通じ、透明性向上や国際的な行動規範の順守について、関係国とも連携して働きかけていく考えです」と述べた。

　安倍首相はさらに「ＡＳＥＡＮ（＝東南アジア諸国連合）諸国や豪州とは様々な分野で連携を強化していく」と述べ、中国の膨張政策をけん制した。

　また、中曽根議員がアルジェリアの人質事件を受けて、日本版ＮＳＣ（＝国家安全保障会議）の早期設置を求めたのに対し、安倍首相は「設置に向け積極的に取り組み、官邸の司令塔機能を強化していく」と表明した。