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露大統領、エネルギー分野の日露協力に意欲

2013年2月22日 20:46

 日本時間21日夜、首相特使・森元首相とロシア・プーチン大統領の会談がロシアで行われ、安倍首相がロシアを訪問し、プーチン大統領と会談する際に領土問題の最終決着に向けて問題を前に進めたい考えで一致した。また、プーチン大統領はエネルギー分野での日露協力に積極的な姿勢を示した。

 北方領土は、北海道の択捉島と国後島、色丹島、歯舞群島のことで、日本固有の領土。ただ、45年の日本の敗戦後に当時のソ連が占領し、現在も「不法占拠」を続けている。日本政府は全島を返還するよう求めており、長年の懸案事項となっている。

 森元首相とプーチン大統領は、安倍首相がロシアを訪問し、プーチン大統領と会談する際に領土問題の最終決着に向けて問題を前に進めたい考えで一致した。

 プーチン大統領「全体的に、ロシアと日本の経済関係は成功裏に発展しています。日本の首相のロシア訪問を待っています」

 プーチン大統領は去年、「引き分け」という言葉を使って領土問題の決着に意欲を示している。日本時間21日の会談では、森元首相が「引き分け」の真意について尋ねたのに対し、プーチン大統領は「勝ち負けなしの解決だ。双方受け入れ可能な解決を目指すべく努力しなければならない」と答えた。また「引き分け」による解決策について、プーチン大統領は「今度、安倍首相ともよく話したい」と述べた。

 領土問題の解決に向けてロシア側が前向きな姿勢を示し始めた背景には、ロシアの主要産品である天然ガスをめぐる動きがある。アメリカのシェールガスの普及で天然ガスの価格が急落し、新たな市場としてロシアが目をつけたのが日本を含むアジア市場だ。領土問題の解決をちらつかせ、日本との経済関係の強化で実を取りたいという思惑があるとの指摘もある。日本時間21日の会談でも、プーチン大統領はエネルギー分野での日露協力に積極的だったという。

 一方、森元首相は日本時間22日、プーチン大統領の側近・ナルイシュキン国家院議長とも会談した。プーチン大統領は安倍首相の早期のロシア訪問に期待感を示したが、ナルイシュキン氏も「4月末に予定されている安倍首相のロシア訪問」と具体的な時期に言及するなど、4月から5月の連休前後の訪問が検討されている。