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2014安倍政権 外交・安全保障の課題

2014年1月4日 22:29
2014安倍政権 外交・安全保障の課題

 安倍首相の就任から1年。安倍首相は積極的に首脳外交を展開する一方、靖国神社参拝により、中国・韓国との関係は一層悪化し、アメリカからも強い懸念が示された。外交・安全保障の課題について、中丸由子記者がリポートする。

 安倍首相は就任後1年間で25か国を訪れた。2014年もすでに、スイスやインド訪問などが予定され、「地球儀を俯瞰(ふかん)するような戦略的外交」を精力的に展開したい考えだが、年末の靖国参拝の影響は尾を引きそうだ。

 安倍首相「中国あるいは韓国の人々の気持ちを傷つける、そんな考えは毛頭ございません。誠意をもって説明をし、そして対話を求めていきたい」

 中国と韓国の反発は織り込み済みだったとはいえ、首脳会談が一層、遠のいたことは間違いない。それだけではなく、アメリカが「失望している」と、異例の声明を出したことに、政府内からも「アメリカとの信頼関係をも悪化させたのではないか」との懸念も広がっている。

 安倍首相は中国・韓国だけではなく、アメリカに対しても説明を行い、「誤解を解きたい」としているが、年明け早々から外交立て直しの努力を迫られそうだ。

 一方、安全保障政策では、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に踏み切るのかどうかが焦点。安倍首相としては日米同盟強化のためにも容認したい考えだが、その場合でも、中国・韓国との摩擦を懸念するアメリカがどう反応するのか、不透明な状況だ。
 安倍首相「弾道ミサイルなどの脅威が容易に国境を乗り越えて、瞬時に我が国にやってくる時に、他国と共に守り合うという集団的自衛権が本当に必要ないのでしょうか」

 また、こうした安全保障政策の転換には、「世論の支持」という推進力も必要で、国内外の理解を得ながら、どこまで実現できるのか、安倍首相の手腕が試される。