「毎日楽しんでますか?」石破首相に向けられた質問のワケ
■首相に質問「毎日楽しんでますか?」…議場からは「笑い」
こんな質問が石破首相に飛び、参議院本会議場からは笑いが起きた。
「毎日楽しんでますか?」
質問したのは、れいわ新選組の山本太郎代表。石破首相が「楽しい日本」を目指す国の姿として繰り返し打ち出す中、山本氏は「楽しい日本を目指すという張本人が疲れ切って苦虫を潰すような表情では楽しい日本はつくれません」と皮肉った。
首相は議員会館に「先憂後楽=為政者は先に国を憂い、人より後に楽しむ」の書を掲げているエピソードを明かした上で、「苦虫を潰すような顔はなるべくしなければいいなと思う」と語った。
■首相が繰り返す「楽しい日本」…その狙いは?
「楽しい日本」…首相が今、このフレーズを繰り返すのはなぜか。元は作家で経済評論家の故・堺屋太一さんの言葉だ。堺屋氏は明治政府が富国強兵で目指した「強い日本」、戦後の高度経済成長期に広がった「豊かな日本」に代わる価値観として「楽しい日本」を提唱した。
石破首相は看板政策として地方創生を掲げる中、「令和の日本列島改造」を進め、若者や女性が魅力を感じる地方として「楽しい日本」を実現するという考えだ。
■「楽しい日本」には「上滑りしてる」など相次ぐ厳しい声
しかし、この「楽しい日本」という言葉には与野党から厳しい声が出ている。
「内外の厳しい情勢から鑑みると上滑りしてる」(立憲・野田代表)
「地方は衰退していて楽しい日本と言われても気持ちがついてこない」(立憲・亀井議員)
さらに与党内からも「楽しい日本のイメージが湧かない」(自民党幹部)などと批判の声が多い。首相自身も周辺に「評判がよくないんだよなぁ」と自嘲気味に語るほどだ。
「楽しい日本」とは何か? 首相には具体的なコンセプトと政策で、目指す国家像を国民に示してもらいたい。