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「関係改善の第一歩」日中首脳会談

2014年11月10日 16:56
「関係改善の第一歩」日中首脳会談

 中国・北京を訪れている安倍首相は10日、注目されていた習近平国家主席との首脳会談を行った。北京から竹内真記者が中継。

 会談は約25分程行われ、歴史認識の問題でやりとりはあったものの、関係改善に向けて努力していくことで一致した。

 安倍首相「アジアの国々だけではなくて、多くの国々が日中両国で首脳間の対話がなされることを期待をしていたと思います。そうした期待に応える形において、関係改善に向けて第一歩をしるすことができたと思います」

 会談で、安倍首相は、「習主席とは今回が初めての正式な会談であり、これを契機として、ともに日中関係の改善につとめていきたい」と話しかけた。また、「我が国は引き続き平和国家としての歩みを堅持し、積極的平和主義のもと、世界の平和と安定に一層貢献していきたい」と日本の立場に理解を求めた。その上で、「日中間には個別の問題もあるが、全体的な関係を損なうことは避けるべきで、ぜひ前向きに対応してほしい。習主席と21世紀の日中関係のあり方を探求したい」と呼びかけた。

 これに対し、習主席は「日中関係を戦略的互恵関係に従って発展させていきたい。今回の会談は関係改善の第一歩であり、今後も徐々に関係改善のための努力をしていきたい」と応じた。ただ、「歴史を直視して未来に向かうことが重要だ。歴史の問題は中国国民の感情の問題だ。村山談話など歴代政府の約束を守ることこそ、アジア隣国と未来に向けた友好関係が発展できる」とクギを刺すのも忘れなかった。

 これに対し、安倍首相は「歴代内閣の歴史認識を引き継いでいる」と述べたが、尖閣諸島や靖国神社参拝については取り上げられなかったという。

 一方、具体的な懸案への対応として、両首脳は不測の事態を避けるため、防衛当局者が緊急時に連絡を取り合う海上連絡メカニズムの運用開始に向け作業を行うことで一致した。