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安保法制関連法案 政治部長がポイント解説

2015年5月14日 20:52
安保法制関連法案 政治部長がポイント解説

 政府は14日午後、集団的自衛権の行使と自衛隊の世界規模での活動拡大を含む安全保障法制の関連法案を閣議決定した。法案のポイントを政治部・伊佐治健部長が解説する。

 安倍首相はこれまでも、「日本を取り巻く環境が大きく変わる中で、アメリカとの同盟関係を強化しなければいけない。自衛隊の役割を高める必要がある」と訴えてきた。複雑で読み方が難しい一連のどの法案で何が出来るようになるのか、そして、この法案が「なぜ必要か」だけでなく、自衛隊が実際に何をやる事になるかをよく見極める必要がある。

 Q:実際に何が想定されているか

 自衛隊の活動は大きく分けて「日本を守る」「世界を守る」の2つがある。「日本を守る」活動では、これまで認めていなかった集団的自衛権を使えるようにして「抑止力」を高めるとしていて、「下手に攻撃したらただではすまないぞ」というメッセージでもある。「世界を守る」活動では「自衛隊の役割が拡大し、活動範囲も地球規模」になる。今回は、この点も注意が必要だ。

 安倍首相は先月の訪米で、「新しい日米同盟によって世界の平和と安定にこれまで以上に責任を果たす」と表明した。自衛隊とアメリカ軍の役割分担を定めた新しいガイドラインにも政府間で合意している。今回の安保法制とのセットで、日本が攻撃される事態を未然に防ぐ「抑止力」を得る一方、「世界平和」に貢献する重い責任を負うことになる。

 その中には、これまで自衛隊がやってこなかった治安維持などに関わる危険な任務も含む。隊員が銃で撃たれたり、あるいは撃ったりする可能性も高まる。国際社会の要請で、そんなに遠くないうちにこうした任務も考えられる。