高市総務相による厳重注意が記された行政指導文書をＮＨＫが５時間にわたり受け取らなかった問題で１４日、高市総務相がＮＨＫ側の対応に不快感を示した。

　参議院の総務委員会で高市総務相はやらせが指摘された「クローズアップ現代」の最終報告を読んだ上で、ＮＨＫに厳重注意する行政指導を書いたと強調し、ＮＨＫの理事に文書を手渡そうとした意図を説明した。

　高市総務相「この文書の趣旨も、なぜいま行政指導なのかということも説明しながら手渡しをしたいと、私は礼を尽くしたつもりでございます。ところが大臣室にも来ない。受け取りにも来ない」

　その後、文書をＮＨＫに届けようとした総務省の職員は外で３時間近く待たされた末、面会できなかった。これについてＮＨＫ側は「訪問の趣旨がその時点でわからなかった。その後、行政指導文書を持ってこられることが分かり、協議をしていたので、その間お待たせすることとなった」「最終的には文書を受け取ったので、その点を理解して頂きたい」などと説明した。

　しかし高市総務相は「ＮＨＫ会長の秘書に連絡してから職員を派遣した。文書を受け取りもせずに内容が妥当か検討する会議を開いていたと言われても困る」などと、ＮＨＫ側の対応に不快感を示した。

　ＮＨＫの籾井会長はこの後、開かれた記者会見で「いろいろ事情はあったが、（外で待たせたのは）非礼だった。大変申し訳なかった」と陳謝した。