NHK“行政指導文書拒否” 会長が陳謝
NHKの報道番組「クローズアップ現代」に関して、高市総務相による厳重注意が記された行政指導文書をNHKが5時間にわたり受け取らなかった問題で、NHKの籾井会長は19日、衆議院総務委員会で「できるだけ早く受け取るべきだった」と陳謝した。
この問題はNHKが先月末、「ヤラセ」が指摘されていた「クローズアップ現代」に関する最終報告を出したことを受け、総務省が高市総務相名で厳重注意する行政指導を行おうとしたところ、NHK側が5時間にわたり文書を受け取らなかったもの。19日午前の衆議院総務委員会で、高市総務相は「私も問題だと思う」と述べ、改めてNHKの対応を批判した。
これに対し、NHKの籾井会長は「今更言っても遅すぎるが、できるだけ早く受け取るべきだった」と述べ、高市総務相ら関係者に陳謝した。
また、総務省の安藤情報流通行政局長は、行政指導文書でNHKに求めた再発防止策の具体化につき、18日、NHKから文書で回答があったことを明らかにした。これは共産党の田村議員の質問に答えたもので、高市総務相は「きのう夕方読んだが、まだ完成形ではないなと思った。まだまだしっかりとお取り組みいただきたい」と述べた。
一方、籾井会長の私的なハイヤー代をNHKが一時、肩代わりしていた問題で、NHKの経営委員会が厳重注意した際、籾井会長が「改めて私が厳重注意を受けるいわれはない」と述べていたことが国会でも取り上げられた。民主党の奥野議員から「いまは納得しているのか?」と聞かれた籾井会長は「『納得する』と『お受けする』の言葉の違いはわからないが、私は(厳重注意を)お受けした」と述べ、不満をにじませた。
高市総務相は「経営委員会は適切に監督している。むしろ会長が厳重注意を大変重いものと踏まえ、しっかり取り組んでほしい」と苦言を呈した。