×

NHK「やらせ」否定「過剰演出」認める

2015年4月28日 16:22
NHK「やらせ」否定「過剰演出」認める

 NHKの報道番組で「やらせ」があったと指摘された問題で、NHKは「やらせではなく過剰な演出」などとする最終報告と、それに伴う関係者の処分を28日午後、発表している。

 この問題は去年、「クローズアップ現代」などの番組で詐欺のブローカー役として報じられた男性が、自分はブローカーではなく、NHKの記者から演じるよう求められたと告発し、NHKが内部調査を進めていたもの。調査委員会のトップ・堂元光副会長は、28日午後3時半からの「最終報告」発表をおわびから始めた。

 「視聴者の期待に反する取材・制作が行われたこと、誠に遺憾であると思っている。視聴者の皆様に心より深くおわびします」

 最終報告では、「男性をブローカーと断定し放送するだけの裏付けはなく、断定的に伝えたことは不適切だった」としつつも、事実のねつ造につながる行為、すなわち「やらせ」はないとした。一方、取材記者が知り合いだった多重債務者を初対面であるかのように取材するシーンなどは、「過剰な演出」と認めた。

 そして、大阪放送局に所属する取材記者を3か月の停職処分、問題を見過ごしたなどの責任があったとして職員4人を減給処分、また荒木報道局長ら10人をけん責処分とした。また、籾井会長が役員報酬の20%、板野放送総局長ら3人が10%、それぞれ2か月にわたり自主返納することになった。