自民総裁任期延長へ 2期6年→3期9年に
自民党は25日までに、党総裁の任期を現在の2期6年から3期9年に延長する方針を固めた。これにより安倍首相が、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを首相として迎える可能性も出ている。
自民党にとっては大きな方針転換だが、安倍首相が夏の参議院選挙でも勝利し、比較的、高い支持率を維持する中、目立った異論は出なかった。
自民党では総裁任期そのものを撤廃する案も検討されたが、3期9年に落ち着いた。党幹部は「国民への見え方が大事だ」と話していて、いきなり無制限にすると世論の反発を招きかねないという判断。
任期延長を巡ってはポスト安倍を目指す石破前地方創生担当相らが当初、慎重論を唱えていたが、広がりを見せなかった。来年3月の党大会で正式決定となる運び。
安倍首相がこれから5年近く首相を続ける可能性も出てきたが-。
安倍首相が再来年9月の総裁選で勝つことが前提だが、制度上は道が開けたことになる。しかし、実際にはいくつもの関門が控えている。
最大の関門は衆議院選挙。衆院選で敗北すれば退陣に追い込まれる可能性があり、敗北とは言えなくても議席を一定以上減らせば求心力が失われ、総裁選での勝利が危うくなる可能性もある。石破氏を支持する議員は「次の総裁選までには状況がどうなっているかわからない」と話している。
いつ、どういう形で解散・総選挙に踏み切るのかが安倍政権の行方を左右することには変わりがない。