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陸自なぜ撤収? 首相「治安でなく区切り」

2017年3月13日 18:25
陸自なぜ撤収? 首相「治安でなく区切り」

 国会で13日、政府が10日に南スーダンに派遣されている自衛隊部隊の撤収を決めたことについて、野党側はこれまで撤収しなかった理由を追及した。

 共産党の山下副委員長は、治安情勢が悪化しても撤収しなかったのは安全保障関連法に基づいた駆けつけ警護の実績を作りたかったのではないかとただした。

 共産党・山下副委員長「安保法制の最初の発動という実績をいかにつくるのか、これを最大の目的として、この間(撤収を)検討してきたということじゃないですか」

 安倍首相「(自衛隊を)出す以上は駆けつけ警護、そういう邦人から頼られた時にはちゃんと訓練をしている任務を与える、法的な根拠を与える、これ当然の私は義務であろうと」

 また安倍首相は、撤収を決めた理由は「治安の悪化ではなくて、一定の区切りをつけられるという政策的な判断だ」と強調した。これに対して山下議員は「政府は新しい任務を付与して、危険な実態をずっと隠ぺいしてきた。危険にさらされてきたのは自衛隊員だ」と批判した。

 現地の治安情勢を巡っては政府・与党内にも「いつ自衛隊員に死傷者が出るか分からない」といった懸念があった。一方、首相や防衛相が国会答弁などで治安の安定を強調する中で官邸関係者は年明けから「もし死傷者が出たら政権を揺るがすのは間違いない」と語っていた。

 撤収の判断には、政権のリスクを未然に排除したいという思惑もあったことは間違いない。