安倍首相はイタリアのジェンティローニ首相と会談し、５月にイタリアで行われるＧ７サミット（＝主要７か国首脳会議）で「結束を示すことが重要」との認識で一致した。アメリカのトランプ政権誕生でＧ７の足並みが乱れることへの懸念を払拭する狙いがある。

　安倍首相「５月のＧ７・タオルミーナサミットではＧ７の力強い連帯が確固たるものであることを確認し力強いメッセージを発出すべく、本日ジェンティローニ首相と一致できたことは大変心強いことであります」

　また、サミットの議長を務めるジェンティローニ首相もサミットで「いかなる保護主義にも対抗するメッセージを発していく」と話した。両国はさらに、防衛装備品に関する技術協力に向け協議していくことでも一致した。

　トランプ大統領に対する懸念が強いヨーロッパ各国への今回の訪問で安倍首相が繰り返し強調したのは「日本とヨーロッパがアメリカと共に協力することが大事だ」という言葉。この点について各国首脳から一定の理解は得られたものの、ドイツのメルケル首相がドイツと日本で「見方はそれぞれ違う」と述べるなどトランプ政権に対する温度差も浮き彫りになった。

　２か月後のサミットでは、各国首脳の中でも「ベテラン」の安倍首相がＧ７の結束に向け指導力を見せることができるのか手腕が問われることになる。