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G20閉幕 声明に“反保護主義”入らず

2017年3月19日 8:12

 トランプ政権の誕生後、初めてのG20(=財務大臣・中央銀行総裁会議)は、2日間の討議を終えて閉幕した。しかし、とりまとめた声明にはこれまで掲げてきた「保護主義に対抗する」という文言が入らなかった。

 保護主義的なトランプ政権の誕生が自由貿易の推進をうたってきたG20の足並みに乱れを生じさせた。

 麻生財務相「自由貿易の重要性はG20で共有されたと考えております。会議の場で自由貿易を否定するような発言はなかったと思います」

 麻生財務相は、協議の場では、一貫して、自由貿易の重要性を強調していた。しかし、結局、声明にはG20がこれまで掲げていた「自由貿易の推進」や「保護主義に対抗する」という言葉は入らなかった。反保護主義の文言には保護主義的な政策を進めるトランプ政権が反対したため。

 貿易については、「経済に対する貿易の役割を高めていく」という表現にとどめた。トランプ政権の主張を押し通す姿勢に各国が反発する場面もありG20の結束にほころびが生じている。

 麻生財務相は貿易の問題については「7月のG20サミットに向けて議論していく」と述べたが、アメリカの思惑に国際社会が揺さぶられる状況は続きそうで、4月に本番を迎える日米の経済対話でも緊迫した展開が予想される。