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政府が警戒強める 米が武力行使の可能性も

2017年4月10日 17:29

 日本政府は今後の北朝鮮の出方次第ではアメリカが武力行使に踏み切る可能性もあるとみて警戒を強めている。

 政府関係者によると6日、9日と2度にわたった日米電話首脳会談では、北朝鮮への対応についても突っ込んだ意見交換を行った。政権幹部は「アメリカが実際に武力行使するかは分からないが、状況は緊迫してきている」としている。

 焦点となるのが次の北朝鮮や中国の出方。一つはアメリカがシリアに対する軍事攻撃に踏み切ったことを北朝鮮がどう受け止めるのか。二つ目は米中首脳会談を受けて中国が北朝鮮への圧力を本格的に強めるのか。

 日本政府は、このように北朝鮮に強い圧力をかけるトランプ政権の戦略を支持している。

 菅官房長官「米国がすべての選択肢がテーブルにある、我が国はこうした姿勢を評価している」

 しかし、圧力にもかかわらず北朝鮮が態度を改めずにアメリカ本土も射程に収める核ミサイルの開発に近づいた場合は、アメリカが武力行使に踏み切る可能性もあるとみている。官邸関係者が「トランプ政権はそんなに気の長い人たちではない」と話しているほか、政権内部からは「北朝鮮や中国の出方を数週間で見極める」との見方も出ている。

 こうした中、ある防衛相経験者はアメリカと北朝鮮は「チキンゲームに入った」として緊張がエスカレートしていく危険性を指摘している。

 武力行使となると日本への影響は避けられず、政府内には日本への報復攻撃の可能性や難民の流入などへの懸念がある。そしてある自民党議員が「安倍首相は日本に難民が来たりして混乱しても仕方がないと思っているのではないか」と語るなど、自民党内にもトランプ政権の強硬姿勢を支持する安倍政権への批判の声も出ている。

 国民の平和と安全を守るために北朝鮮にどう向き合っていくべきなのか。日本外交の真価が問われている。