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トランプ氏 シリア政策転換の可能性を示唆

2017年4月6日 12:45

 内戦が続くシリアで化学兵器が使用された可能性があることを受けて、国連・安全保障理事会が5日、緊急会合を開いた。アメリカは、「アサド政権による攻撃だ」としてシリアとロシアを非難した。

 シリア・イドリブ県で4日に行われた空爆では、市民らが化学兵器によるとみられる症状を訴えている。猛毒のサリンが使われた疑いが指摘され、「シリア人権監視団」は少なくとも72人が死亡し、うち20人が子供だと伝えている。これを受け、安保理が緊急会合を開き、アメリカは「アサド政権が化学兵器を使用した」と指摘し、アサド政権とそれを支援するロシアを非難した。

 一方、アサド政権側は「化学兵器は所有していない」と関与を否定。ロシアも「NGOによる報告を信用せず、公正な調査をすべきだ」と反論し、非難決議の採択は行われなかった。こうした中、アメリカのトランプ大統領はシリア政策を転換する可能性を示唆した。

 トランプ大統領「一線を越えた。いくつもの一線を越えた。シリアとアサド大統領に対する考え方は変わった」

 トランプ政権は過激派組織「イスラム国」の打倒を優先し、アサド大統領の退陣にこだわらない姿勢を示してきたが、これを転換する可能性に言及したもの。