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生産地は中国…かつての“ニセモノの里” パリオリンピック・公式グッズ 

2024年7月25日 20:25
生産地は中国…かつての“ニセモノの里” パリオリンピック・公式グッズ 

パリオリンピックの開会式が迫るなか、大会マスコットの「フリージュ」も人気を集めています。この五輪マスコット、そのほとんどが、かつて“ニセモノの里”と言われた中国の1つの町で作られていて、その場所に行くと意外な光景が広がっていました。

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オリンピックに向け、熱気高まるフランス・パリ。グッズショップに山積みになっているのは、オリンピックのマスコット「フリージュ」です。

そのタグを見てみると…

土井政亜記者
「メイドインチャイナと書かれています」

中国産の表示がありました。

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その中国に行ってみると…

長谷川裕記者(中国・浙江省)
「中国なのに、いっぱいパリオリンピックのグッズがあります」

実は、パリオリンピックのマスコットの約8割は、メイドインチャイナ。しかも、作られているのは、かつて“ニセモノの里”と言われた町なのです。

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そこは浙江省義烏市。私たちは2006年、サッカーワールドカップがドイツで開催された時に、その町を取材していました。

記者(浙江省義烏、2006年)
「ここにはワールドカップのマスコット人形の着ぐるみも売られています。つづりが間違っているので、これは明らかな偽物です」

違法コピーされたマスコット人形が大量に売られていました。

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その“ニセモノの里”でなぜ今回、公式グッズが作られているのか。7月、その町を訪ねてみると、パリオリンピックの応援に使うリストバンドが販売されていました。そこには…

記者
「正規品と書いてありますね」

“公式ライセンス商品”の表示がありました。

雑貨メーカー社長
「これはオフィシャルです」

──どうやって許可を得た?

雑貨メーカー社長
「大きな貿易会社を手伝って。その会社が正規品の許可を得たんだ」

正規品を受注し、100万本を売り上げたといいます。さらに市場には、国旗などの応援グッズのほかにも、卓球のオリンピック公式試合で使われるというピンポン玉や、エッフェル塔のイラストが印刷された“オリンピック記念の玉”まで作られていました。

スポーツ用品店スタッフ
「この(記念)ピンポン玉だけで、売り上げは倍になったよ。ワールドカップなどのグッズも義烏で生産していて、義烏のレベルの高さは信頼されているんだよ」

商品の品質や価格に加え、中国からフランスまでは貨物列車を使い、低コストで輸送できることから、五輪グッズの大量受注に成功していたのです。

買い物にきた人は…

買い物客
「偽物?あんまりないんじゃない?見たことない」

買い物客
「(当局が)厳しく取り締まるから、品質は間違いなく上がっている」

市場には「知的財産権の保護」を訴える看板が掲げられていました。ここ数年、当局の厳しい取り締まりで、偽物が激減。長年、アメリカ政府に“悪質な市場”に認定された“ニセモノの里”は“本物の生産地”へ変貌を遂げていたのです。

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ところが、日が暮れ、市場から少し離れた場所を訪ねてみると…

記者
「にぎわってますね、いっぱいお客さんがいる」

ずらりと並んでいるのは、有名ブランドのロゴがかかれた品々でした。

その値段は…

店員
「これは120元(約2500円)」

──こっちは?

店員
「こっちは180元(約3800円)」

激安の偽物でした。

記者
「あちこち偽物だらけです。こちらはブランド品の鞄があって、こっちはスニーカーの偽物ですね。ナイキのスニーカー、80元(約1700円)で販売されています」

当局の目をかいくぐり、昼間は姿を消していた“偽物”が、夜の市場にはまだ存在していたのです。

技術を高め、世界の工場として生産力をつけた中国。今回のパリオリンピックをきっかけに“偽物大国”から本当に脱却できるのか、問われています。