“森友”で注目 「会計検査院」とは?
28日の予算委員会でも取り上げられた「会計検査院」。そもそもどういう組織なのか?政治部の柳沢高志記者が解説する。
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―会計検査院。そもそもどういう組織なのか?
会計検査院は、国会や内閣、裁判所から独立した立場で国や政府関係機関などのお金の出入りをチェックし、不適切な会計経理を発見した場合は、これを指摘して是正や改善を促す役割を果たしている。日本国憲法にも「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査する」と明記されていて、その検査は重い意味を持っている。
―検査はどうやって行われているのか?
会計検査院には職員が1200人あまりいて、それぞれが担当する省庁などの会計検査を行っている。検査を受ける側は法律上、検査に応じることが義務づけられている。昨年度は423件、計874億円の不適切な会計経理などがあったと指摘した。その仕事の一環として、森友学園への国有地売却をめぐる問題では、会計検査院が値引きの根拠が不十分と指摘したということになる。
ただ、検査には限界も指摘されている。森友学園の問題では、国有地の売却価格はいくらが適正だったか、具体的な金額を示さなかった。これについて、ある政府高官は「会計検査院は独自の調査を行って客観的な金額を出す責任があった。やる気がなかったのではないか」などと厳しく批判している。ただ、会計検査院は「独自の調査と言っても今となっては限界がある」と反論している。
さらに、会計検査院の報告では、焦点となっていた安倍首相の昭恵夫人の関与や、官僚の忖度(そんたく)があったのかどうかなど、問題が起きた背景には触れられていない。これについて会計検査院は、「会計経理の書類からは忖度があったかどうかは知りようがない」と説明している。
より厳正なチェックを行うために何が必要なのか、会計検査院のあり方について議論していく必要がありそうだ。