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相次ぐ“北の漂着船”政府対策も…地元悲鳴

2017年12月19日 18:15

日本海で相次いだ、北朝鮮からとみられる船の漂着。その撤去が各地で行われているが、かさむ費用に自治体からは悲鳴も上がっている。そんな中、日本政府も対策に乗り出したのだが…。


■自治体に重くのしかかる処分費用

先週、新潟県の海岸では数日前に漂着した木造船が重機でつり上げられ、朝から撤去作業が行われていた。その後、近くの処理施設に運ばれ、解体作業が行われた。撤去・解体にかかった費用は数十万円。すべて県が負担するという。

新潟県村上地域整備部(治水・港湾課)五十嵐課長「今後こういったことが増えてくると、当然ちょっと予算が足りなくなってくるので、そのあたり私どももちょっと心配してまして」

こうした中、政府も対策に本腰を入れ始めた。自治体への支援を検討するほか、沿岸警備の体制を強化する方針。


■地元漁師らへの影響はさらに深刻

しかし、地元が抱える問題は自治体のものだけではない。新潟県柏崎市の海岸に漂着した木造船の中にあったのは、乗組員が使っていたと思われる、イカ釣り用の漁具。漂着した船の多くが日本の海域で不法にイカ釣りをしていたとみられる。

こうした事態に、石川県能登町の漁師は頭を抱えていた。

イカ漁師「あんまり芳しくないね。水揚げで考えるとダウンしてますよ」

石川県の北にある海域で北朝鮮の漁船が違法操業を行った影響などで、最もイカがとれるこの時期の水揚げ量は去年より4割減ったという。

その海域で今年9月に撮影された映像では、洋上に浮かぶ5隻の木造船と北朝鮮の国旗がはためく様子が見える。そして、干しているのは大量のイカ。日本の排他的経済水域で許可なく漁を行っている。

イカ漁師「北朝鮮の密漁してる人ら、あの人らをどうにか取り締まってくれんとね。資源が枯渇してしまうわ」

日本政府はこれまで、海上保安庁が放水を行うなどして対応。今月に入り、この海域では水温が下がって魚が少なくなったこともあり、北朝鮮の漁船は姿を消したというが―

イカ釣り漁船『第58金剛丸』平塚秀樹船長「また春、5月、6月になれば必ず来ると思います(魚を)とりに。少し放水するだけじゃね、何も言うこと聞かん」

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日本の海に押し寄せる北朝鮮から来たとみられる船。今後も地元住民や自治体への影響は続くのだろうか。