問題“3点セット”で国会紛糾<記者解説>
加計学園の獣医学部新設をめぐり愛媛県が3年前に作成した文書の中に、安倍首相と学園の理事長が学部新設の計画について会話したとうかがわれる記述があったことがわかった。
国会では安倍首相が出席する集中審議が開かれ、森友学園への国有地売却、自衛隊の日報、加計学園の獣医学部開設という3つの問題について、野党の追及が続いている。政治部の青山和弘記者が解説。
■最も議論が紛糾したのは?
11日、国会で最も議論が紛糾したのが、10日に愛媛県の文書が発覚したばかりの加計学園の問題。立憲民主党の枝野代表は、面会自体を否定している柳瀬氏と愛媛県のどちらがウソをついているのかと激しく追及した。
立憲民主党・枝野代表「愛媛県の担当者が、聞いてもいないこと書いたんですか」
安倍首相「愛媛県が作成した文書の評価について、国としてコメントすることはできないわけです」
立憲民主党・枝野代表「論理的に(元秘書官の)柳瀬さんがウソをついているか、愛媛県の担当者が聞いてもいないこと勝手に書いたか、二つに一つじゃないですかって聞いてます」
安倍首相「私は部下を信頼をして仕事をしているところでございまして、柳瀬元秘書官の発言を、私は信頼をしているところでございます」
安倍首相はこのように柳瀬氏を擁護した。
また、希望の党の玉木代表は、愛媛県の文書にある安倍首相と加計理事長との会話が事実なのかただした。
■内閣総理大臣が“ウソ”?…国会は乱戦もよう
希望の党・玉木代表「加計理事長との会食の中でこういう会話が出てきたことはなかったんですね」
安倍首相「獣医学部の新設について話をしたことはなく、そして、ご指摘のようなやり取りを行ったことはないと」
希望の党・玉木代表「(愛媛県)知事がそれこそちゃんと会見をして、ここにあることは本物だと言ってるんですよ。(安倍首相が)ウソをついているかもしれないと思って質問するのは、残念ですよ」
安倍首相「ウソつきという以上は、明確に私がウソをついている証拠を示していただかなければいけないと。少しわきまえていただきたい」
安倍首相はこのように獣医学部をめぐる会話を否定した上で、学部新設の意図を初めて知ったのはこれまでの答弁通り去年1月20日だと述べた。
11日は、これまでになく野党側、安倍首相ともに感情的になる場面が多く、乱戦もようといった状況だ。
■森友学園の問題で“署名”まで
一方、森友学園の問題で、財務省の太田理財局長は、ゴミの撤去費用について口裏合わせの文書を作り森友学園側に署名を求めていたことを明らかにした。
太田理財局長「(書面作成し署名求めるのは)いき過ぎだと考えております。好ましくない対応だった、というふうに考えてございます」
こちらも官僚のモラルに関わる深刻な問題だ。国会は日報問題を含む3つの大きな問題を抱えて混迷の度合いを深めている。