×

「緊急事態宣言」対象全国拡大 方針固める

2020年4月16日 17:07
「緊急事態宣言」対象全国拡大 方針固める

政府は、改正特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大する方針を固め、このあと専門家からなる諮問委員会が開かれます。

緊急事態宣言が出ている地域の外に、人が移動する動きが問題視されてきましたが、それを防ぐため対象を全国に拡大する判断に踏み入ったとみられます。

菅官房長官「(専門家からは)対象地域を区切れば、そこの周辺地域にどんどんと人が流れていくのを何とかしなければならない」

政府はこのあと、専門家からなる諮問委員会を開き対象地域の追加の手続きに入ります。16日夜、国会に報告した上で政府対策本部を開き、正式決定する方向で調整しています。

複数の政府関係者は、対象地域を全国に拡大することが、国民に一律10万円を給付する理由付けにもなると話しています。

安倍総理大臣は16日、新型コロナウイルス対策として所得制限なしの現金10万円の一律給付を実現するため、今年度の補正予算案を組み替えるよう指示しました。これは公明党が、収入が減少した世帯への30万円の給付をとりやめ、予算案を組み替えて一律10万円を給付するよう強く求めていたのを受けてのことです。

政府高官が「決まったものをひっくり返すのは政権にとって大きなリスクだ」と話すなど、政府・自民党は当初、予算案の組み替えを拒否していました。自民党幹部が「予算を組み替えるなら理由がいる」と述べるなど、緊急事態宣言の対象を全国に拡大することで、安倍総理も整合性をはかろうとしたとみられます。

ただ、諮問委員会の専門家の中には不満を口にする人もいて、今後、政治的判断だと批判される可能性もありそうです。