立憲・維新「与党の本気度を判断したい」給食費無償化法案を国会に共同提出
立憲民主党と日本維新の会が、公立の小・中学校の給食費を無償化するための法案を、衆議院に共同提出した。小・中学校の給食費をめぐっては、自民党も同様に無償化を目指す考えを示している。提出した議員の一人は、「与党も同じことを考えているのに賛同いただけないなら、まさに“やるやる詐欺”だ。本気度を判断したい」と強調した。
■立憲議員「自民からの『給食費無償化』案はハプニング」
今回、両党が提出した「学校給食費無償化法案」は、来年4月1日から公立の小・中学校の給食費を無償化するとしている。
しかし、この給食費無償化をめぐっては、自民党も、政府が今月31日に決定する少子化対策のたたき台に反映させたいとの考えを示している。
こうした中、法案を提出することについて、提出者の一人である立憲民主党のある議員は、「我々はもとから今年度中に法案を提出しようと考えていた。自民党から『給食費無償化』について発言が出たのは、我々にとってはハプニングだった」と振り返った。
その上で提出した法案について「出さないよりは出した方がよい。自民党も動いてきたことで、無償化を実現させるチャンスだ。与党を後押しすることにつながる」と力を込めた。
さらに他の議員も「与党も本気なら賛成する。この法案に賛成しないなら、自民・公明は『給食無償化に反対』ってことだろう。これは『リトマス試験紙』であり『うそ発見器』だ」と語った。
■立憲・維新で「共同提出」…裏では意見の食い違いも
今回の法案は、去年の臨時国会から続く、立憲と維新の“国会内共闘”の一環で提出したものだ。
維新は給食費の無償化について「大阪でいち早く実現してきた自負がある」と強調。しかし、立憲民主党のある議員は、「殊更に大阪で実現できたと言うが、それは『大阪市』でのこと。『大阪市』以外の地域では、まだ無償化は実現できていない」などと述べ、政策に対する評価への“温度差”も浮き彫りとなった。
また今回の法案では、国立や私立の小・中学校の給食費については当分の間、保護者などの負担とする一方で、政府に対し、保護者などの経済的負担を軽減するための方策について検討するよう求めている。
これについて、法案を提出した議員の一人は「維新は私立も含む、全ての給食費を無償化させたかった。しかし、立憲は、豪華な給食を出す私立学校まで、すべてを無償化するのはどうなのか、公立の人たちの方が先ではないかという意見だった。そこの調整が難航した」と明かす。
■「子どもたちの心理的な負担軽減」したい…法案の意義は?
法案を提出した立憲民主党の菊田真紀子衆議院議員は「少しでも保護者の方々の負担を軽減していくと同時に、給食費を未納せざるを得ない子どもたちへの心理的な負担を軽減していく。さらに、学校現場で未納者の給食費を徴収しなければいけないという、教職員の負担の軽減にも繋がる」と法案の意義を強調している。
両党は今後も、同じく「給食費の無償化」を目指すとする自民党に対し、法案成立に向け、協力を呼びかけていく方針だ。