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蓮舫議員に聞いてみた 菅首相と“初対決”

2020年11月7日 8:02
蓮舫議員に聞いてみた 菅首相と“初対決”

「やりたいものがないんじゃないですか」──。立憲民主党の蓮舫代表代行は、菅義偉首相の「弱点」を問われて、こう答えました。2人の“初対決”となった参議院予算委員会、闘いを前に蓮舫議員が語った菅首相攻略のカギとは。
(インタビュー企画【政治家に聞いてみた】第1回)

■“初対決”前日■
◆突撃!蓮舫議員の昼ご飯

──こんにちは。お昼ご飯ですか?

 「そうです」

──何ですか?

 「おろし豚しゃぶサラダ。半熟卵のおにぎり。酸辣湯スープです」

──食材より調味料の方が多いですが?

 「きょうは少ないけど」

──見たことがない調味料が並んでますが。

 「これが一番おすすめのニンニクの入っていないラー油。ホアジャオをかけると中華の味に。菊田真紀子さんから頂いたイタリアの唐辛子オイル漬け、安定のタバスコ。つねに補充」

──3.8リットルのタバスコ。蓮舫さんのマイタバスコですか?

 「補充、補充」


◆国会質問前の準備

──これが準備している書類?

 「全部、すべて準備がおわって最低限使う資料です」

──書類が多いが、1回の質問でどれくらの準備時間を?

 「着眼して調査するものだったら2か月くらい。調べて調べて、直前になってもっとつめて、“贅肉”をどんどん落としていく。調べているときはこのテーブル一杯資料、椅子の上にも資料、となっているのを、きゅっと絞ってここまでに」


◆蓮舫議員が語る…菅首相の「攻略法」

──これまでの菅首相の答弁をどう見てる?

 「とにかく答えたくない。ボロをだしたくない、自分が表にでない。それと違う角度で答弁を求められたときは秘書官が答えているようなものですよね。政治家同士の質疑にはならないと思いますね」

──蓮舫さんはいろいろな首相と答弁してきたが、どういう戦略で臨むか?

 「菅総理にかかわらず歴代総理、特に菅総理に望むことはファクトだと思います。動かさない事実、数字、経緯、その調査をずっとしてきているので、それを見せたら答えざるを得ない立ち位置に追い込むしかない」

──菅首相の弱点はどこか?

 「やりたいものがないんじゃないですか。行政のデジタル化、携帯電話(料金)を下げるとか、総務大臣時代にやりたかった詰み残した課題を総理としてやりたいという思いはあるんだけど、総理大臣として何をやりたいことが全く見えないから、答弁に熱意がない、やる気がない、表に立って率先してこたえる意欲がない、すごく難しい総理だと思います」

──学術会議の答弁は

 「支離滅裂です。6人をなぜ削ったのかというシンプルな質問にすぎないのに、人事のことは答弁を控えると言いながら、女性とか若手とか、ある大学に偏っているとか、バランスと多様性を重視したと言い出して、でも105人の名簿は見てなくて、削られた99人の名簿しか見てないと、全てが矛盾しているので、そこは確認させていただく。その上で着眼点としては公文書管理。起案、決裁にいたるまでの経緯は詳細にうかがおうと思います」

 「(公文書)ガイドラインは相当読み込むと矛盾がでてきて、特にモリカケがあったので打ち合わせまでメモを残せというガイドラインになっている。その視点から公文書管理については十分うかがえると思います」

──学術会議では任命するしないだけでなく文書管理にも問題がある?

 「もちろん、起案をするまでにどういう省議を経て、どういう人たちが関与して、名簿をどう扱って、起案をして総理大臣の決裁を仰いだかは1つの公文書として残さないと、過去の検証できませんから。最もど真ん中です」


■いざ、蓮舫議員×菅首相“初対決”■
◆「任命拒否の理由」追及

立憲民主党・蓮舫議員「6人を外したことで私大の人がいなくなった、若手はいなくなった。そして、女性もいなくなった、バランス悪くなってるんじゃないですか、結果として納得したんですか」

菅首相「今回の個々人の任命の判断とは直結しないがという形で私は答弁をしてます」

菅首相「約10億円の予算を使って活動している政府の機関であり、任命された会員は、公務員になるのですから、その前提で、社会的課題に対し提言などを行うため、専門分野の枠にとらわれない広い視野に立って、バランスのとれた活動を確保するために必要な判断を行ったということであります」

立憲民主党・蓮舫議員「いや支離滅裂を超えてますよ。これで国民のために働く内閣なんですか」

菅首相「そこはしっかり働いていきたいと思います」


◆決断の経緯…「公文書」に記録が?

立憲民主党・蓮舫議員「この6人を削った経緯を知る方法が一つあります。8月31日に推薦名簿が出て、9月24日、起案されるまでの過程の公文書はありますか」

加藤官房長官「今回の任命に係る経緯について、杉田副長官と内閣府でのやりとりを行った記録について、担当の内閣府において管理をしているというふうに承知をしております」

立憲民主党・蓮舫議員「提出してください」

加藤官房長官「まさにこれ人事に関する記録でありますから、内容の提出は今回の件に限らず、こうした案件については差し控えさせていただいてるところであります」

立憲民主党・蓮舫議員「いや、総理ね。人事に関する機微な情報、個別名詞とか、この人はこういう理由だ、そこはいいんです別に。ただ、こういう経過で狭めていった、省議を重ねたという、途中経過を示しください。総理として指示をしますか」

菅首相「今、官房長官が申し上げたとおりです」

立憲民主党・蓮舫議員「総理として指示しないということですか」

菅首相「官房長官と総理は、一体であります」


■質問を終えた蓮舫議員を「直撃」…手応えは?■

 「いよいよこの問題は、杉田官房副長官に国会にお越しいただいて、実務を取り仕切った方に直接おうかがいしないと、全貌が明らかにならないということが、むしろ明らかになりました」


【政治家に聞いてみた】
日本テレビ政治部発のインタビュー企画。地上波では時間の制約もあり、なかなかお伝えできない政治家の意外な素顔やホンネ、ニュースになった“あのシーン”の裏側を聞いてみた!

与野党の国会議員、時には官僚や話題の専門家にインタビューしていきます。