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菅首相、禁じ手「解散」「人事」で“迷走”

2021年9月2日 10:34
菅首相、禁じ手「解散」「人事」で“迷走”

総裁選と衆院選をめぐって、「菅首相が焦っている」という声が自民党内から湧き上がっています。首相は、総裁選の前の衆院解散と、自民党役員と閣僚の人事という2つの「禁じ手」を検討。混乱ぶりに、身内からも批判やあきれる声が上がっています。

■「解散」一夜で霧散…首相に焦り?

有働由美子キャスター
「8月31日夜の速報で、『菅首相が9月中旬に衆議院の解散を検討』とお伝えしましたが、9月1日には『最優先は新型コロナウイルス対策。今のような厳しい状況では解散ができる状況ではない』と発言し、一夜明けて解散の話はなくなりました」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「自民党内からも、『菅首相は政権を続けるために焦っている』という声が湧き上がっています。『秋の衆院選を菅首相では戦えない』『総裁選で岸田前政調会長が善戦するのではないか』などと追い込まれる中、2つの“禁じ手”も含めてさまざま検討したようです」

■衆院解散の「禁じ手」に批判

小栗委員
「1つ目の禁じ手は、31日夜浮上した、9月中旬の衆議院解散と総裁選の先送りでした。

結局この案については、31日夜の段階で安倍前首相や麻生副総理が反対する考えを菅首相に伝えたのもあって消えましたが、ある自民党議員は『総裁選に勝てないから衆院選に逃げるって、つまりみんなを犠牲にして自分は逃げ切ろうとしているとしか見えない』と話すなど、党内から批判が上がっています」

有働キャスター
「何か、国民に信を問いたいということで解散して衆議院選挙をするというならまだ分かりますが、それは菅首相からは感じられませんね」

■「人事」も…党役員と閣僚を刷新?

小栗
「そして禁じ手の2つ目が人事です。総裁選前の来週前半にも、二階幹事長の交代を含む自民党役員人事と内閣改造を行おうとしています。現状、幹事長や官房長官といった要職に、安倍前首相の側近の萩生田文部科学相や、世論の人気が高い河野ワクチン担当相、石破元幹事長らの名前が浮上しています」

有働
「これは禁じ手なんですか?」

小栗
「そうです。この後行われる総裁選でもし、菅首相ではない新たな総裁が選ばれたら、その人が当然、党役員人事や組閣をするので、今人事をしても1か月ほどでまた変わる可能性があります」

「ある自民党の閣僚経験者は『こんなタイミングで人事をするなんてあり得ない。人事で総裁選の党員票を買うようなものでおかしい』と述べています。また31日夜の解散騒動を受けて、自民党議員からは『こんなんじゃ、来週の人事も無理ではないか。誰がこんな状態で党役員を引き受けるんだよ』という声さえ聞かれます」

■辻さん「国民の命最優先に」

有働
「辻さんはどう思われますか?」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「少なくとも今はコロナで、国民の命に関わる有事ですよね。そんな中でのこのゴタゴタは、例えるならば、飛び立った飛行機のコックピットで、誰が機長席に座るのか小競り合いをしているみたいな状態だなと思いました」

「とにかく今は操縦かんを握って、国民の命を救うことが最優先なんじゃないかなと思います。いずれにしても国民のための政治であってほしいなと、切に思いますね」

(9月1日『news zero』より)