候補者乱立“混戦”自民総裁選 「日テレ党員調査」上位3人に注目 次の顔は誰に?【バンキシャ!】
自民党総裁選に立候補を表明・検討している12人のうち、日本テレビが自民党の党員・党友を対象に「誰を支持するか」を聞き取ると、1位が石破氏、2位が小泉氏、3位が高市氏という結果でした。“ポスト岸田”の座をめぐるそれぞれの戦略とは?【バンキシャ!】
8日午後4時すぎ、バンキシャは、東京・葛飾区へ。
バンキシャ
「石破さんですね」
5度目の総裁選に挑戦する石破元幹事長。
石破 茂 元幹事長
「自由民主党の元幹事長の石破でございます」
選挙カーで“下町”を回ったあと…
バンキシャ
「石破氏が到着しました」
街頭演説に臨んだ。
石破元幹事長
「政治の信頼を取り戻し、ルールを守る自民党を作る。それが私の仕事であります」
日本テレビの自民党員への調査では、石破氏の支持が28%で1位。10ポイント差の2位は小泉元環境大臣だった。
その小泉氏は、8日。地元・神奈川県で街頭演説に立った。
バンキシャ
「そして、菅さんでしょうか、菅前首相も壇上に上がりました」
総裁選で小泉氏を支援している菅前首相が駆けつけた。いわば“師弟関係”の2人。
菅 義偉 前首相
「今度の総裁選挙、小泉進次郎さんに日本の舵取りを託したい、そんな思いでみなさんと一緒になって、応援させていただいております」
公の場で菅氏が小泉氏の支持を明らかにしたのは初めてのことだ。そして、小泉氏は…
小泉 進次郎 元環境相
「総理になることは目的ではありません。総理になることは手段です。具体的な指示を出し、何をやりたいかを、いつまでにやりたいかを明確にしなければ、この国は変わりません。自民党は変わりません」
9月27日に投開票が行われる総裁選は、候補者が乱立する見通しになっている。議員票が分散するとみられる中、党員票をどれだけ獲得できるかが勝敗の行方に大きく関わってくる。
いかにして党員にアピールするか――バンキシャは候補者たちの戦略に迫った。
***
7日、昼すぎの東京・銀座。
バンキシャ
「銀座の街が大変なことになっています。ものすごい数の警察官が鉄柵を準備し始めました」
ここで小泉氏が、総裁選で初の街頭演説を行う。
一角では金属探知機による身体検査と、手荷物検査。実質、総理大臣を選ぶ選挙。厳重な警備態勢だ。そこへ…
小泉 進次郎 元環境相
「みなさんこんにちは!小泉進次郎です」
「この選挙、1年でやりきる3つの改革。中長期に構造改革をしていく。ここを覚悟を決めて戦って、そして誰もが自分らしい生き方ができる国をつくります」
30度を超える暑さの中、詰めかけた多くの人々。ビルの中からも小泉氏に視線が送られる。
その演説中。小泉氏が連呼した言葉があった。
小泉 元環境相
「総理総裁になったら」
「私が総理になった暁には」
「総理になったら」
――“総理になったら”。投票権がある自民党員だけでなく、国民全体に訴える言葉だ。
小泉氏の陣営の1人は。
小倉 前こども政策担当相
「国民のみなさんに、小泉さんが唱える3つの改革この重要性を知っていただくことが、ひいては党員のみなさんを動かすことにつながると思う」
まずは世論を味方につけ、それを党員へと広げる戦略だという。さらにこんなキャンペーンも打ち出していた。
「拡散の力で小泉進次郎を史上最年少総理に!」と銘打ったキャンペーン。小泉氏の動画を無料で提供し、指定のハッシュタグをつけてSNSで拡散するよう求めるものだ。
ハッシュタグの1つ、「進次郎構文」といえば…
小泉氏(2019年)
「今のままではいけないと思います。だからこそ日本は今のままではいけないと思っている」
時に“中身がない”と揶揄される、小泉氏独特の言い回し。自虐的なハッシュタグで、注目させる狙いがあるのだろうか。
世論や党員にアピールする傍ら、国会議員の支持拡大も狙っている。水面下で動いているとされるのは、“後見人”の菅前首相だ。
取材によると複数の国会議員に電話をかけているという。そのうちの1人は、総裁選に出馬の意欲を見せている、野田聖子元総務大臣に近い議員だという。
菅 前首相
「もしもし。菅です。今回は進次郎をやってください」
女性議員
「…はい。承知しました」
“党の重鎮”である菅前首相直々の指示。議員は、野田氏に電話をかけ…
女性議員
「菅さんから進次郎さんをやるよう指示されたので断れませんでした。今回はそちらの陣営に入れません。申し訳ありません」
重鎮自ら、支持固め。野田氏は思わず恨み節を漏らした。
野田 聖子 元総務大臣(6日/BS日テレ「深層NEWS」)
「新しい派閥は出現していますね。やっぱり菅さんはとても強い。菅さんにお世話になったっていう…無派閥で声をかけても、そこでも全部ブロックされてて」
***
一方の石破氏。小泉氏をおさえ“党員支持1位”となっている。6日、議員会館では、SNS用の動画撮影が行われていた。
撮影者
「石破さんはラーメン議連に所属されていますが、好きなラーメンの味はありますか?」
石破 元幹事長
「これはよほど異色のものでない限り、何でも喜んでいただきますよ」
狙いは党員票のさらなる上積み。意識していることがあるという。
石破 元幹事長
「怖くないように。どうしても、じっと相手を真剣に見ていると、ひいちゃうんだね相手がね」
親しみやすさを演出し支持を集める戦略だ。7日は講演会のため、鹿児島へ。
バンキシャ
「2位の小泉議員と10ポイント差、結構開いていると感じたが、どう感じている?」
石破 元幹事長
「(結果の発表は)それ2日前の話だものね?」
バンキシャ
「そうですね」
石破 元幹事長
「毎日動くからね、それはね。ありがたいですが、もっと増やさなきゃいけないねってことかな」
子どもを見かけると、すかさず笑顔でアピール。しかし子どもは、この表情。講演会中も、笑顔。ただ、スピーチでは一転…
石破 元幹事長
「謙虚であり公正であり自由闊達であり、そういう自由民主党を私は取り戻してまいりたいと思います」
終了後…
バンキシャ
「SNS用の撮影の様子を収録させていただいた際に『怖さを払拭したい』という言葉があったが、こういう講演会でも怖さ払拭を意識している?」
石破 元幹事長
「怖かったですかね今日?」
バンキシャ
「そんなことはないです」
石破 元幹事長
「つい熱が入ると笑顔が消えちゃうところがある。話の中で、ふっと息を抜いてもらえるような話題を混ぜることをもう少し心がけないといけないと反省したところです」
***
そして“党員支持3位”だったのは…
バンキシャ
「高市大臣が出てきました」
日本テレビが自民党の党員・党友に総裁選で「誰を支持するか」たずねた調査。3位につけたのは、高市経済安保大臣だ。
これまで総務大臣や党の政調会長を歴任。政治信条は安倍元首相と近く、「岩盤保守層」を中心に根強い人気を誇る。
6日(千葉・船橋市)、バンキシャが高市大臣を取材すると…
バンキシャ
「高市大臣!日本テレビが誰を支持するか自民党員・党友に聞いたところ、高市大臣は3位でした。受け止めは?」
高市 早苗 経済安保大臣
「特に受け止めはございません。一生懸命、頑張ってまいります」
バンキシャ
「小泉議員と1ポイント差でしたが…」
安倍元首相という“後ろ盾”を失い、票をどこまで伸ばせるのか。高市大臣は9日、出馬表明を行う予定だ。
*9月8日放送「真相報道バンキシャ!」より
バンキシャ
「石破さんですね」
5度目の総裁選に挑戦する石破元幹事長。
石破 茂 元幹事長
「自由民主党の元幹事長の石破でございます」
選挙カーで“下町”を回ったあと…
バンキシャ
「石破氏が到着しました」
街頭演説に臨んだ。
石破元幹事長
「政治の信頼を取り戻し、ルールを守る自民党を作る。それが私の仕事であります」
日本テレビの自民党員への調査では、石破氏の支持が28%で1位。10ポイント差の2位は小泉元環境大臣だった。
その小泉氏は、8日。地元・神奈川県で街頭演説に立った。
バンキシャ
「そして、菅さんでしょうか、菅前首相も壇上に上がりました」
総裁選で小泉氏を支援している菅前首相が駆けつけた。いわば“師弟関係”の2人。
菅 義偉 前首相
「今度の総裁選挙、小泉進次郎さんに日本の舵取りを託したい、そんな思いでみなさんと一緒になって、応援させていただいております」
公の場で菅氏が小泉氏の支持を明らかにしたのは初めてのことだ。そして、小泉氏は…
小泉 進次郎 元環境相
「総理になることは目的ではありません。総理になることは手段です。具体的な指示を出し、何をやりたいかを、いつまでにやりたいかを明確にしなければ、この国は変わりません。自民党は変わりません」
9月27日に投開票が行われる総裁選は、候補者が乱立する見通しになっている。議員票が分散するとみられる中、党員票をどれだけ獲得できるかが勝敗の行方に大きく関わってくる。
いかにして党員にアピールするか――バンキシャは候補者たちの戦略に迫った。
***
7日、昼すぎの東京・銀座。
バンキシャ
「銀座の街が大変なことになっています。ものすごい数の警察官が鉄柵を準備し始めました」
ここで小泉氏が、総裁選で初の街頭演説を行う。
一角では金属探知機による身体検査と、手荷物検査。実質、総理大臣を選ぶ選挙。厳重な警備態勢だ。そこへ…
小泉 進次郎 元環境相
「みなさんこんにちは!小泉進次郎です」
「この選挙、1年でやりきる3つの改革。中長期に構造改革をしていく。ここを覚悟を決めて戦って、そして誰もが自分らしい生き方ができる国をつくります」
30度を超える暑さの中、詰めかけた多くの人々。ビルの中からも小泉氏に視線が送られる。
その演説中。小泉氏が連呼した言葉があった。
小泉 元環境相
「総理総裁になったら」
「私が総理になった暁には」
「総理になったら」
――“総理になったら”。投票権がある自民党員だけでなく、国民全体に訴える言葉だ。
小泉氏の陣営の1人は。
小倉 前こども政策担当相
「国民のみなさんに、小泉さんが唱える3つの改革この重要性を知っていただくことが、ひいては党員のみなさんを動かすことにつながると思う」
まずは世論を味方につけ、それを党員へと広げる戦略だという。さらにこんなキャンペーンも打ち出していた。
「拡散の力で小泉進次郎を史上最年少総理に!」と銘打ったキャンペーン。小泉氏の動画を無料で提供し、指定のハッシュタグをつけてSNSで拡散するよう求めるものだ。
ハッシュタグの1つ、「進次郎構文」といえば…
小泉氏(2019年)
「今のままではいけないと思います。だからこそ日本は今のままではいけないと思っている」
時に“中身がない”と揶揄される、小泉氏独特の言い回し。自虐的なハッシュタグで、注目させる狙いがあるのだろうか。
世論や党員にアピールする傍ら、国会議員の支持拡大も狙っている。水面下で動いているとされるのは、“後見人”の菅前首相だ。
取材によると複数の国会議員に電話をかけているという。そのうちの1人は、総裁選に出馬の意欲を見せている、野田聖子元総務大臣に近い議員だという。
菅 前首相
「もしもし。菅です。今回は進次郎をやってください」
女性議員
「…はい。承知しました」
“党の重鎮”である菅前首相直々の指示。議員は、野田氏に電話をかけ…
女性議員
「菅さんから進次郎さんをやるよう指示されたので断れませんでした。今回はそちらの陣営に入れません。申し訳ありません」
重鎮自ら、支持固め。野田氏は思わず恨み節を漏らした。
野田 聖子 元総務大臣(6日/BS日テレ「深層NEWS」)
「新しい派閥は出現していますね。やっぱり菅さんはとても強い。菅さんにお世話になったっていう…無派閥で声をかけても、そこでも全部ブロックされてて」
***
一方の石破氏。小泉氏をおさえ“党員支持1位”となっている。6日、議員会館では、SNS用の動画撮影が行われていた。
撮影者
「石破さんはラーメン議連に所属されていますが、好きなラーメンの味はありますか?」
石破 元幹事長
「これはよほど異色のものでない限り、何でも喜んでいただきますよ」
狙いは党員票のさらなる上積み。意識していることがあるという。
石破 元幹事長
「怖くないように。どうしても、じっと相手を真剣に見ていると、ひいちゃうんだね相手がね」
親しみやすさを演出し支持を集める戦略だ。7日は講演会のため、鹿児島へ。
バンキシャ
「2位の小泉議員と10ポイント差、結構開いていると感じたが、どう感じている?」
石破 元幹事長
「(結果の発表は)それ2日前の話だものね?」
バンキシャ
「そうですね」
石破 元幹事長
「毎日動くからね、それはね。ありがたいですが、もっと増やさなきゃいけないねってことかな」
子どもを見かけると、すかさず笑顔でアピール。しかし子どもは、この表情。講演会中も、笑顔。ただ、スピーチでは一転…
石破 元幹事長
「謙虚であり公正であり自由闊達であり、そういう自由民主党を私は取り戻してまいりたいと思います」
終了後…
バンキシャ
「SNS用の撮影の様子を収録させていただいた際に『怖さを払拭したい』という言葉があったが、こういう講演会でも怖さ払拭を意識している?」
石破 元幹事長
「怖かったですかね今日?」
バンキシャ
「そんなことはないです」
石破 元幹事長
「つい熱が入ると笑顔が消えちゃうところがある。話の中で、ふっと息を抜いてもらえるような話題を混ぜることをもう少し心がけないといけないと反省したところです」
***
そして“党員支持3位”だったのは…
バンキシャ
「高市大臣が出てきました」
日本テレビが自民党の党員・党友に総裁選で「誰を支持するか」たずねた調査。3位につけたのは、高市経済安保大臣だ。
これまで総務大臣や党の政調会長を歴任。政治信条は安倍元首相と近く、「岩盤保守層」を中心に根強い人気を誇る。
6日(千葉・船橋市)、バンキシャが高市大臣を取材すると…
バンキシャ
「高市大臣!日本テレビが誰を支持するか自民党員・党友に聞いたところ、高市大臣は3位でした。受け止めは?」
高市 早苗 経済安保大臣
「特に受け止めはございません。一生懸命、頑張ってまいります」
バンキシャ
「小泉議員と1ポイント差でしたが…」
安倍元首相という“後ろ盾”を失い、票をどこまで伸ばせるのか。高市大臣は9日、出馬表明を行う予定だ。
*9月8日放送「真相報道バンキシャ!」より