岸田首相は、自民党・公明党の政調会長らと会談し、税収の増加分を国民に還元するため、期限付きの所得税の減税を早急に検討するよう指示しました。

岸田首相
「国民への還元の具体策について、所得税減税も含め党における検討、これを指示させていただきました。具体的には（今月）26日に政府与党政策懇談会を開催し、そして与党税制調査会における早急な検討を経て、経済対策としてとりまとめていただきたい」

期限付きの所得税の減税について岸田首相は、与党内での検討を経て、今月末にとりまとめる予定の新たな経済対策に、盛り込む考えを示しました。

一方、岸田首相と会談した自民党の宮沢税制調査会長は、減税の期間について、「1年というのが極めて常識的だろう」と述べています。

また、自民党の萩生田政調会長は、防衛力強化のための「増税」が決まっていることも踏まえ、「これから減税策を考えるのに、来年から防衛増税をやるのは国民に全くわかりづらい」と述べ、来年度からの防衛増税は見送るべきとの考えを示しました。

所得税の減税をめぐっては、防衛増税との整合性を問う声があがっているほか、自民党内からも「所得税の減税は低所得者に効果がない」との指摘が出ていて、与党内での協議は難航が予想されます。