臨時国会召集 所得税減税の是非は… “統一教会”被害者救済も論点
岸田首相が突如示した所得税減税への意欲について、自民党内からも困惑の声が上がっています。20日に召集された国会でも、この減税の是非が大きな論点の1つとなる見通しです。
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衛視によって国旗が掲げられた国会。20日、臨時国会が召集されました。家計を圧迫し続ける物価高に、岸田政権はどのような対策をとるのでしょうか。
首相官邸で20日朝、岸田首相は「経済政策あるいは物価高対策などについて議論を深めることを通じて、岸田政権がどのような変化をチャンスに変えようとして、そしてチャンスを力に変えようとしているのか丁寧に説明をしていく」と述べました。
臨時国会の論点となる経済対策。岸田首相はその1つとして、期限付きの所得税減税を検討するようこの後、与党に指示します。
突然、浮上した“所得税の減税”。徳島市で14日、岸田首相が遊説中に“増税メガネ”とヤジを飛ばされる場面もありました。
減税が浮上した理由について、岸田首相に近い議員は――
自民・遠藤前総務会長(19日)
「若干“増税メガネ”ということに、少し過剰に反応されてますし」
首相の周辺が“増税メガネ”という言葉に、少し過剰に反応しているからだとの見方を示しています。
自民・世耕参院幹事長(20日)
「減税と給付をうまく組み合わせて、なるべく幅広い世帯に手を差し伸べていくということが重要」
自民党内からは前向きな声が上がる一方で、野党からは――
立憲民主党・安住国対委員長(20日)
「増税隠しのための減税なんじゃないかなというふうに思いますので、うがった見方をすれば選挙対策の減税ですよね」
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臨時国会のもう1つの論点が、世界平和統一家庭連合いわゆる“統一教会”をめぐる問題です。
立憲民主党や日本維新の会は、被害者救済のために教団の財産保全を可能とする法案を国会に提出。与党側も何らかの対応を検討する方針です。
“統一教会”をめぐっては、自民党の山本朋広議員がかつて、教団のトップをマザームーンと称賛していました。
2017年の音声
「マザームーンに対しての感謝の思いが、マザームーンへ伝わる」
山本議員はこれまで教団との関係について、教団のイベントとは認識せず参加したなどと書面で説明していましたが、カメラの前での説明を拒み続けてきました。
20日、あらためて山本議員に説明を求めましたが、取材には応じませんでした。
――政治の責任を果たしたと思われますか?
自民党・山本朋広議員
「(扉)閉めちゃって」
12月13日まで55日間開かれる臨時国会。来週から、本格的な論戦が始まります。