ワクチン接種完了いつ? 首相、明言せず
菅首相は7日の会見で、新型コロナウイルスのワクチン接種の目標を「1日100万回」と強調する一方、一般への接種を終える時期は明言を避けました。東京五輪は開催する意向を改めて表明。緊急事態宣言の解除の目安をめぐり、分科会の尾身会長とのズレもみられました。
■「100万回」の根拠問われ…
7日夜の会見で菅首相が強調したのは、新型コロナのワクチン接種についてでした。
「1日100万回の接種を目標とし、7月末を念頭に、希望するすべての高齢者に2回の接種を終わらせるよう、政府としてはあらゆる手段を尽くし、自治体をサポートしてまいります」
記者からは質問が相次ぎました。
――「100万回」の積算根拠は?
「インフルエンザの接種は(1日)60万回ぐらいは平均でできているという報告を受けていますので。接種を始めて、本格的に慣れてくると、そうしたことも可能だと」
――一般の国民への接種を終える目標の時期は? 年内に終えることは可能?
「高齢者の方を終えて、そして国民に広く接種をしていきたい。現時点においては、そこまでに述べさせていただきたい」
首相は、完了時期について明言を避けました。
■五輪「選手や関係者がしっかり対策」
――どのような感染状況になっても、IOCが中止を判断しない限り、日本政府として開催に向けた取り組みを続ける立場は変わらない?
「選手や大会関係者が感染対策をしっかり行っていく。こうした対策を徹底することで、国民の命や健康を守り、安全安心の大会を実現する。このことは可能と考えており、しっかり準備をしていきたい」
■尾身会長「下げ止まった後も我慢を」
一方、宣言を解除する基準について、首相は「ステージ4を脱却することが目安になるが、専門家や自治体の意見も聞きながら総合的に判断していきたい」と述べるにとどめました。
会見で隣に並んでいた、政府分科会の尾身会長も見解を示しました。
新型コロナ対策分科会・尾身茂会長
「私は、ステージ3に入って、しかもステージ2の方に安定的な下降傾向が認められるということが、非常に重要(と考えています)。下げ止まったからすぐに解除すると、必ずリバウンドが来ますので。下げ止まっても、おおまかな目安ですが、2~3週間はぐっと我慢することが必要だと思いますね」
尾身会長は「変異ウイルスの影響が極めて重要な要素」とも指摘しました。
菅首相は「『また緊急事態宣言の延長か』と失望される方も多いかと思います。しかし私たちは必ず近い将来、この局面を乗り越えていきます」と決意を語りました。
(5月7日『news zero』より)