【全文】サイバー安全保障で準備室新設「喫緊の課題」 官房長官会見(1/31午後)
松野官房長官は31日午後、「サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させることは喫緊の課題」として、きょう、サイバー安全保障体制整備準備室を設置したと述べました。
<会見トピックス>
▽外遊時の土産購入
▽内閣官房サイバー安全保障体制整備準備室を設置
▽広域強盗事件
▽電気料金対策
○松野官房長官
冒頭発言はございません。
――外遊時の土産の購入関係で伺います。先日の総理の外遊中、翔太郎秘書官が公用車を使って総理のお土産を購入したことを巡り、国民民主党の玉木代表は会見で、「首相や閣僚が外遊時に関係者に土産を購入する慣習そのものをやめるべきだ」と主張しました。そういった慣習はあるのか?またその必要性についての見解をお願いします。
○松野官房長官
総理、閣僚や国会議員の外国訪問時に限らず、出張や旅行の機会に関係者に土産を購入することは儀礼上、一般的に行われているものと承知しています。
それぞれの方々のお気持ちの問題であり、個々人が判断すべきものと考えます。
――関連。旧民主党政権時代の2009年に当時の鳩山首相が日米首脳会談などで訪米した際、土産を購入して同僚議員に配っていたことを土産を受け取った議員がブログで紹介していました。当時、誰が首相の土産を購入し、その際に公用車を使ったのかどうか記録は残ってるのでしょうか。残っているとすれば実態はどうだったのかお聞きします。
○松野官房長官
ご指摘のようなブログの投稿記事があることは承知していますが、お尋ねの記録の有無と、詳細については外務省にお尋ねをいただきたいと思います。
――関連、本日の閣議後会見で、土産物についてプライベートに関わることなのでと明らかにしませんでした。プライベートの土産購入に公用車を使用することのぜひについて政府の見解を伺います。先ほどの質問と絡むが今回を受けて、慣習を見直す考えはないんでしょうか。
○松野官房長官
外国訪問中の政務秘書官の役割は、多岐にわたりまた、その範囲は他の事務所間との業務調整度合い等に応じ個別のケースによりまちまちでありますが、政治家としての総理の土産物等の購入も政務秘書官の本来業務に含まれうると考えています。総理の外国訪問に際しては総理秘書官を含む随員全員について、各々の業務が円滑に遂行できるようまた不測の事態等にも適切に対処できるよう必要に応じて官用車を配車することとしていると承知しており、政務秘書官が必要な業務遂行目的で官用車を使用することは問題がないと考えています。
――政府のサイバー体制強化について伺います。政府は本日内閣官房サイバー安全保障体制整備準備室を設置しました。サイバー体制強化は国家安保戦略にも明記されていますが、準備室を設置した狙いについて伺います。今後、能動的なサイバー防御可能とする制度設計を進めると思いますが、いつまでに体制や法制度を整える考えでしょうか。また準備室のトップを誰が担うのかについても決まっていればあわせて教えてください。
○松野官房長官
政府としては、国家安全保障戦略を踏まえ、サイバー安全保障分野での対応能力の向上のため、内閣サイバーセキュリティセンターの発展的改組とサイバー安全保障分野の政策を一元的に総合調整する新たな組織の設置およびサイバー安全保障分野における新たな取り組みの実現のための法制度の整備等の体制整備を行うこととしています。こうした検討を着実に行うため、本日付で、内閣官房に小柳内閣審議官を室長とするサイバー安全保障体制整備準備室を設置しました。近年のサイバー空間における厳しい情勢を踏まえ、我が国のサイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させることは喫緊の課題であり、サイバー安全保障分野における情報収集、分析能力の強化や、能動的サイバー防御の実施のための体制整備等についてしっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。
――広域強盗事件に関連して伺います。フィリピンの司法省は6つの携帯電話を所持していた者がいるなど、国内の収容施設内で犯罪が行われていた可能性を指摘した上で、2人の身柄を週内に日本に引き渡すことが可能だとしました。受け止めと日本政府の今後の対応をお聞きします。
○松野官房長官
お尋ねについては捜査中の事案に関わる事柄であり、お答えは差し控えさせていただきます。いずれにせよ、警察において、事件の全容解明に向け、フィリピン側と必要な連携を行っていくものと承知しています。
――電気料金対策について。国会質疑では与野党か電気料金の更なる負担軽減を求める声が相次いでいます。総理は必要な対応なら躊躇なくというふうに答弁されていますが、追加的な負担軽減策について政府の検討状況を伺います。
○松野官房長官
先週、東京電力と北海道電力が規制料金の値上げ認可申請を行い、7社が値上げ認可申請中となりました。値上げ幅も電力会社によって差はありますが、3、4割の値上げ申請となっている中で、ご心配の声をお聞きしています。他方で12月に成立した補正予算で措置した電気料金の激変緩和策による値引きが、2月に請求される電気料金から開始します。まずは電気料金の約2割に相当するこの支援をしっかりと国民の皆様にお届けできるよう取り組んでまいります。その上で今後については総理から発言があった通り、必要に応じて適切に対応してまいります。