総裁選、決選投票ほぼ確実…派閥どう動く?
事実上の次の総理大臣がきまる自民党の総裁選挙が29日に迫りました。国会議員票の比重が増す決選投票にもつれこむとみられるなか、派閥はどのような動きをみせるのでしょうか。
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28日正午から総会を開いた岸田氏の派閥。
岸田前政調会長
「着実に多くの国民のみなさんの支持も積み上げてきました。私たちはなんとしても、この総裁選挙勝ち抜いてこの思いを結果にしなければならない」
29日の総裁選挙を前に気勢をあげる岸田陣営。決選投票に持ち込めば勝てる可能性が高まるとみているのです。
日本テレビの独自取材では、決選投票は1度目の投票で1位・2位となる見通しの河野氏と岸田氏で争われることがほぼ確実な情勢です。
決選投票となった場合、勝敗のポイントの1つとなるのが“派閥の意向”です。
議員51人が所属する竹下派は――。
竹下派幹部・茂木外相
「(派閥の)大半が岸田候補を支援したいと、こういう形になっております」
岸田氏へ支持を明確にしました。茂木氏は特に決選投票において、岸田氏の支持でまとまって対応したいとの考えを示しています。
岸田陣営は決選投票になった際、高市陣営の票の上積みも期待できることから、河野氏を逆転できるとみて勢いづいているのです。
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議員47人が所属する二階派。二階幹事長は誰を支持するのか態度を明らかにしていませんが、決選投票では派閥としてまとまる対応をとるか聞かれると…。
二階幹事長
「対応したくない人は出て行ってもらうしかないよね。ちょっと愚問じゃないかな、こういうプロの世界では」
こう語気を強めた二階氏ですが、派閥内で意見がわれ決選投票も事実上の自主投票にすることを決めました。
28日午後、その二階幹事長のもとにあいさつに訪れた河野氏。河野氏は、決選投票について――。
河野ワクチン担当相
「私が総裁に選ばれれば、決選投票であっても党員の声がきちんと反映されるルールにしていきたい」
党員・党友票の比率が少なくなる決選投票のルールにあらためて疑問を呈しました。
河野ワクチン担当相
「今回もルールは違いますが、国民の声にきちんと耳を傾けた総裁選挙が行われるものと信じております」
河野陣営の幹部は現状を厳しく受け止めています。
坂本1億総活躍担当相
「1回目の投票で決めましょうというようなことだったんですが、党員投票についても、なかなか急激な伸びというのが見られない」
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28日は、高市氏も二階幹事長のもとへあいさつに訪れました。その後、向かったのは…27日、岸田氏が必勝祈願に訪れた日枝神社です。
高市前総務相
「人事を尽くして天命を待つ。多くの方々の志、そして政策へのご理解を信じて明日まで力を尽くします」
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一方、野田氏は幹事長代行として最後の役員会に出席。その後、野田氏が現れたのは――。
国民民主党・伊藤孝恵議員
「総裁選で大変お忙しい中、この議連のこの会だけはどうしても来ると」
不妊治療など、生殖補助医療のあり方を考える超党派の議連です。
野田幹事長代行
「これだけは予定を外さなかった。本当に私にとってはライフワークです。これからの若い人にしっかり届けたいと思っているので、宜しくお願いします」
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こうした中、緊急事態宣言が解除される見通しとなった事を受け、野党は――。
立憲民主党・福山幹事長
「4人の候補者のコロナ対策では全く具体性がなく、国民の不安は払拭できません。ぜひ予算委員会で新総理はコロナ対策等について、しっかり説明を頂きたいと」