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「派閥」色濃く…党人事で“岸田カラー”は

2021年10月1日 9:21
「派閥」色濃く…党人事で“岸田カラー”は

自民党の岸田文雄総裁による、党役員人事が固まりました。要職の幹事長には、かつて「政治とカネ」で閣僚を辞任した甘利明氏が就く見通しで、安倍晋三氏の意向や派閥を重視した布陣となりそうです。「岸田カラー」はどこまで広げられるのか―。


■河野氏は「広報本部長」に…心中は

有働由美子キャスター
「岸田文雄新総裁が誕生し、注目される自民党の役員人事。会社で言えば、新社長が幹部に誰を選ぶかというところですが、9月30日夜になって、麻生太郎氏が副総裁という情報が入ってきました。この人事はどうみたらよいでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「第二次安倍政権が発足以来、9年近くにわたって副総理兼財務相を務めてきましたが、今回、政府の役職は離れて、自民党に戻る形です」

「副総裁の権限は特に決まっているものではなく、名誉職だったり、総裁の後見人として政策決定をサポートするケースだったりと、さまざまですが、自民党内からは、『麻生氏なら副総裁の権限が強くなりそうだ』という声が聞こえてきます」

有働キャスター
「一緒に総裁選を争った河野氏が広報本部長ということですが、外相や防衛相までした方が就くポストなのでしょうか?」

小栗委員
「河野氏の発信力を期待してのことだとは思いますが、河野氏の周辺は『要職には程遠く、干された感じ。正直何やるの?って感じだと思いますよ』としつつも、河野氏は『雑巾がけからやる』と言っていたそうです」

「ただ、周辺は『岸田総裁のポスターを見ながら広報戦略を考えるのは、つらいと思いますよ』とその心中を慮っていました」

■当選3回「総務会長」に疑問も

有働
「廣瀬さんが気になったのはどのポストですか?」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「個人的には総務会長の福田達夫氏が気になりますね。若手のホープが権限を与えられて、どこまで力を発揮できるのかに注目しています」

有働
「これは抜てきですか?」

小栗
「そうですね。自民党の総務会は党の最高意思決定機関で、ここを通さないと予算案や法案を、ほぼ国会に提出できません。しかも全会一致が原則なので、調整が非常に難しいポストです」

「それだけに党内からは『総務会長も随分軽んじられたものだ』(党幹部)、『3回生の総務会長でまとめられるのか。この人事は反発が出るかもね』(ベテラン議員)という声が上がっています」

有働
「大丈夫なのでしょうか?」

小栗
「岸田氏は周辺に『若手も党改革を訴えていたので、あえて若手を入れて、一緒に党改革を進めたいという狙いだ。この人事は評価してほしい』と話しています」

■幹事長に甘利氏…3Aへの配慮も?

有働
「重要になる党の幹事長と政府の官房長官では、それぞれ甘利明氏、松野博一氏の起用が固まっています。いずれも安倍前首相に近いところからの選出ですね」

小栗
「甘利氏の幹事長就任について、麻生派の議員は『甘利さんが幹事長なら、安倍さんと麻生さんの両方と話ができるから適任だ』と言います。(安倍政権を支えた)3人の頭文字を取って、いわゆる“3A”と言われるこの顔ぶれへの配慮と、それによる党運営のしやすさも指摘されています」

「一方で、甘利氏は2016年、政治とカネをめぐる疑惑で秘書の監督責任を取って経済再生担当相を辞任した経緯があります。自民党内からは『政治とカネの話はやられる。甘利さんが幹事長では、二階(俊博)さんと何が違うのか、となる』とう声も上がっています」

有働
「ここまで見ると、『岸田カラー』は出ているのでしょうか?」

小栗
「あくまでここまでを見る限り、安倍氏の意向や派閥を重視していると言わざるを得ないですね。唯一、福田総務会長だけは中堅若手を起用するとした、いわゆる『岸田カラー』と言えますが、これをどれだけ、これからの閣僚人事で広げられるかが課題です」

有働
「抜てきされたり、干されたりを見ると、会社や組織で働く人ならこの人事のヒリヒリ感を感じると思います。やはり派閥、やはり安倍氏なのでしょうか」

(9月30日『news zero』より)