岸田首相は13日、臨時国会の閉会にあわせて記者会見を行いました。その中で、岸田首相は「国民の信頼なくして政治の安定はない。政治の安定なくして政策の推進はないということを強く感じている」と述べ、「現在の政治資金をめぐる様々な課題に、事態の推移を踏まえつつ、正面から取り組んでいく。国民の信頼回復のために火の玉となって自民党の先頭に立ち取り組んでいく」と表明しました。

岸田首相はこの会見の冒頭、自民党の派閥の政治資金パーティーや、安倍派の裏金疑惑について、「政策集団（派閥）の活動、ひいては自民党の政治活動に政治資金の観点から厳しい目が向けられ、国民から疑念を持たれるような事態を招いていることは極めて遺憾だ」と述べました。

その上で「信なくば立たず、国民の信頼なくして政治の安定はありえない。党全体として強い危機感をもって一致結束した対応を図っていく。総理総裁として政治の信頼回復に向けて、自民党の体質を一新すべく 先頭に立って戦っていく。これが自分の務めだ」と強調しました。

また「政治改革を求める国民の皆さんの厳しい声。その声に真摯に耳を傾けて、党所属の議員と膝詰めの議論を集中的に進めていく。改革については、これから確認される事実に基づいて明らかにしていく」と述べた上で、「 まずは、第一歩として、各政策集団のパーティーを当面開催しないことを申し合わせた。さらに、国民の信頼回復に向けて党の先頭に立って戦っていく姿勢を明らかにすべく、私自身が政策集団から離れることにした」と説明しました。

岸田首相はまた「これから年末に向けて、予算、税制、診療報酬・介護報酬の同時改定など国民の生活や国の基本政策に関わる重要な決定が目白押しで大詰めを迎える。政府与党として国政に遅滞をきたすことがないよう全力を挙げなければならない」と述べ、「こういった考え方の下、国会終了を待ってあす速やかに人事を行うことが適切であると判断した。早急に必要な手続きを進める」と表明しました。

「人事」では松野官房長官ら、安倍派の4人の閣僚らを交代させる方針です。

そして「これから年末にかけて重要な政策決定が続く。私自身が、党の先頭に立って国民の政治への信頼を回復すべく、それに全力を尽くすとともに、政策の推進に支障が生ずることがないよう、政府与党を挙げて高い緊張感を持って臨む」と強調しました。