石破首相側が複数の自民党議員に“商品券10万円”配る 首相の説明は…
石破首相が10日前に行った自民党の新人議員との会合で、石破首相の事務所が去年の衆議院選挙で初当選した複数の自民党議員に、商品券10万円相当を配っていたということがわかりました。
――10万円の商品券を渡したということは法律的、政治的にどんな問題があるんでしょうか?
まず、取材でわかった事実を整理します。複数の関係者によりますと、商品券が配られたのは今月3日、石破首相と初当選議員15人ほどが出席した総理大臣公邸での懇談会が行われた日です。
複数の関係者によりますと、懇談会が行われる前に石破事務所の秘書が懇談会に出席する議員の事務所に「おみやげ」として10万円相当の商品券を配ったということです。
そしてさきほどの質問、まず法律的に問題があるかですが、石破首相はつい1時間ほど前に日本テレビの取材に応じました。「政治資金規正法にふれることは全くない。法律的に全く問題ない」と主張しています。
一方で、与野党から批判の声が出ています。ある自民党幹部は「法律的に問題なくても政治とカネの問題で自民党が信頼を失う中で誤解を招く行為だ」と指摘しています。身内の政府関係者からも「軽率な行為だ。法律にふれる可能性がある行為で総理大臣としての政治責任が問われる」と話しています。
また、ある立憲民主党の幹部は「総理が所属議員に商品券を渡すのは政治活動である法律で禁じられている行為だ」。別の立憲幹部は「クリーンなイメージがある石破総理が古い自民党と同じだったことがよくわかった。辞任に値する」などと厳しく批判しています。
13日夜、判明した事案でどこまで政治責任が問われるのか、与野党ともに石破政権への影響を固唾をのんで見守っている状況です。
――石破さんは違法性はないと話しているということですが、どうなんでしょうか?
政治資金規正法では、政治家を含む個人が政治家個人に対して現金などを寄付することを禁止しています。
石破首相は「政治活動ではないため、規正法にふれることはない」と話していますが、初当選した議員との懇談が、本当に政治活動ではないと言い切れるのか、見方は分かれるところです。
――そもそも10万円の商品券を「おみやげに」というのが、一般の感覚とは違うように感じるが…
実際、もらった議員の中にもお土産を逸脱している、として返却した人もいましたからね。
政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信名誉教授は「商品券はお金と同じ扱いだし、10万円という額は、社会通念上、おみやげとして認められるかというと難しい。政治資金規正法に抵触する可能性はある」と指摘しています。
官邸関係者などは「そもそもポケットマネーなので、政治資金ではなく問題ない」と話していますが、いままさに国会で「政治とカネ」の問題を議論している時に、多額の商品券を配ることが適切なのか。
ある自民党のベテラン議員は「政権が終わったかもしれない。頭が痛い」と話しています。