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「山形鉄道」1億円の被害 ボイスフィッシング詐欺の被害として山形県内最大規模か

2025年3月12日 18:49
「山形鉄道」1億円の被害 ボイスフィッシング詐欺の被害として山形県内最大規模か

山形銀行を名乗る不審な電話を受けた山形県内企業の被害が続発している事件で、フラワー長井線を運営する第三セクター「山形鉄道」がおよそ1億円の被害に遭っていたことが分かりました。

この事件は山形銀行をかたる不審な自動音声電話が10日県内企業に相次ぎ、複数の企業がネットバンキングによる不正送金の被害を受けたものです。
このうち長井市に本社があり、フラワー長井線を運営する第三セクター・山形鉄道では1億828万円の被害に遭ったことが分かりました。
山形鉄道によりますと10日昼頃、山形銀行を名乗る自動音声が入り、ネットバンキングの情報更新を依頼されたということです。
担当者が自動音声に従い対応したところ、山形銀行職員を名乗る男が出て、担当者のメールアドレスを聞き取り、偽サイトと思われる画面に誘導され、ログイン情報やパスワードを入力しました。その後、すぐ不審なことに気づきましたが、すでに現金が他の口座に不正送金されたということです。

山形鉄道は県が筆頭株主となっている第三セクターで、12日の県議会で県の担当者が被害を報告しました。

県総合交通政策課・岸威顕主幹「現在、経緯や原因の詳細、具体的な影響について確認中です。山形鉄道と沿線の2市2町、置賜総合支庁が中心となり、被害の影響をふまえながら対応を検討している」

関係者によりますと山形銀行を名乗る不審電話による被害はこれまでに少なくとも村山地方の複数の企業でも確認されていて被害総額は十数億円にのぼる可能性があるということです。
警察によりますと電話や音声メッセージで銀行の担当者などを装って機密情報を聞き出し金をだまし取る一連の手口は「ボイスフィッシング」と呼ばれています。県内でこれまで発生したボイスフィッシングによる被害としては過去最大規模とみられ、警察で詐欺事件として捜査を進めています。
山形銀行によりますと、顧客などへの聞き取り調査から不審な自動音声電話が確認されたのは10日のみで、発生日以降、詐欺被害は拡大していないとみられるということです。山形銀行では自動音声による案内は一切行っておらず、電話やメールなどで契約情報やパスワードなどを 聞くことも一切ないとして、利用者への注意を呼びかけています。また、被害の発生を受け、現在、インターネットバンキングによるほかの銀行への即時振り込みの機能を停止しています。

最終更新日:2025年3月12日 19:30
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