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【解説】内閣不信任決議案否決 安倍派の4閣僚交代へ…最新情報は

2023年12月13日 17:17
【解説】内閣不信任決議案否決 安倍派の4閣僚交代へ…最新情報は

安倍派の裏金疑惑で揺れた臨時国会は13日、閉幕します。立憲民主党が提出した岸田内閣に対する内閣不信任決議案は否決されました。最新情報です。

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政権発足以来最大のピンチを迎えている岸田自民党を野党は国会でどこまで追い込むことができるのか。立憲民主党は党首の泉代表自らがその前線にたちました。

立憲民主党・泉代表
「今や岸田内閣は行動も政策も右往左往、支離滅裂であります。自民党、岸田内閣の責任は極めて重大。一刻も早く内閣総辞職を求めます。それをせぬというのなら衆議院を解散し国民に信を問うていただきたい。立憲民主党は堂々と、解散総選挙を受けて立つ」

野党側は立憲に加えて国民民主党、日本維新の会も賛成に回りました。国民、維新は補正予算の採決では与党と足並みを揃えましたが今回は一転、野党は結束し、政権への厳しい姿勢を示しました。

これで国会は閉幕し、岸田総理は明日、松野官房長官など安倍派の4閣僚を交代させる方針です。事実上の更迭となります。

■人事の方針は、これまでと「真逆」に

――このパーティー券の問題が発覚してからおよそ2週間。ようやく人事か、とも思いますが岸田総理はどんな方針で人事を行うのでしょうか?

今回の人事は岸田総理にとって「いまだかつてない人事」になりそうです。人事の方針がこれまでと「真逆」になるからです。

――「真逆になる」とはどういった意味ですか?

これまで岸田総理の人事は「派閥均衡型」でした。しかし、今回は「派閥『脱却型』」が求められています。

どういうことか。これまで岸田流人事のコンセプトは自らの派閥が党内第4勢力で安倍派、麻生派、茂木派といった大きな派閥の力を得て「安定」を目指す「派閥均衡型」でした。

しかし、今回は「真逆」です。

ある自民党幹部は、今回の人事で大事なのは「派閥色を薄めること」と指摘しています。

■ポイントは“脱派閥”の一方で“沈みかけた船に乗りたくない”人も…

派閥のパーティー券をめぐる裏金疑惑が出たことである閣僚経験者は「諸悪の根源は『派閥』で人事では『脱派閥」を打ち出せるかが大事だ」と指摘しています。今回の人事ではこれまでは冷遇されてきた「無派閥」議員を「抜擢」する事が検討されています。

これに加えて今回はこの「沈みかけた船」にはのりたくないという事で打診がきても「入閣はちょっと…」と断ると言っている人もいて、だったら「火中の栗を拾うのは身内で」と岸田総理の出身派閥・岸田派からの起用も検討されています。

■注目の官房長官人事は?

――人事のコンセプトはわかりました。では、具体的に誰になるのか聞きたいのですが4人の閣僚の中でもやはり内閣の顔、官房長官が誰になるのか、が気になりますが。

最新情報では官房長官に岸田派の林前外務大臣の起用が検討されています。

林氏は外務大臣、文科大臣、農水大臣、防衛大臣などを経験した実力派。さらに岸田総理とは同じ岸田派で「気心がしれた仲」です。ある自民党幹部は「林さんで検討している」と明らかにしています。

ただ、こちら身内の岸田派からの起用となれば「結局、誰も引き受けなかったと見られる」と、早くも冷ややかな見方も出ています。

他には田村元厚労大臣。田村さんは岸田派ですが9月に入会したばかりで派閥のパーティーには関わっていない「準無派閥」と言えます。そして、加藤前厚労大臣。加藤さんは、というと茂木派ですが菅内閣での官房長官をつとめた経験がありピンチを乗り切れる「即戦力」として期待する声が出ています。

――そして、岸田総理はこのあと午後6時過ぎから記者会見を行いますが注目点は?

総理周辺は「就任してから一番大事な会見になる」と危機感を示しています。

記者会見では・パーティー券問題をめぐる政治不信の払拭・臨時国会閉幕を受け今後の経済対策含む政権運営などが柱となります。

岸田総理、かなり入念に準備している。総理周辺は原稿作成にあたって「ピンチをチャンスに変える」と意気込んでいるようです。一方自民党内からは「注目されるのはいいけど中身がないと余計、追い込まれる」といった声もあがっています。