“裏金要求”音声公開「これは俺も共犯」
「2000万円や3000万円がもったいなかったら、人生終わるよ」との会話が収録された音声。登場人物は、自民党の泉田衆院議員と星野伊佐夫新潟県議です。泉田議員は、衆院選をめぐって星野県議から「裏金」を要求された時のやりとりだと説明しています。
◇
渦中の人物、新潟県の星野県議は「私は全部覚えていますよ。本当、覚えている。ぜーんぶ覚えていますよ」と言いました。
その発端が──
自民党 泉田裕彦衆議院議員
「総選挙におきまして、2000~3000万円の裏金要求をされました。(裏金を)要求したのは、星野伊佐夫自民党長岡支部長」
自民党の泉田衆議院議員が、10月の衆議院選挙に新潟5区から立候補する前、星野県議から裏金を要求されたと主張しています。
これに対し、星野県議は1日、こう話していました。
自民党 星野伊佐夫県議
「全くない、でたらめ。事実無根の話なんだから」
主張が真っ向から対立する中、泉田議員が“裏金を要求された際に録音したと説明する音声”を公開しました。衆院選前の9月4日、泉田議員が星野県議の自宅で録音した会話だといいます。
星野県議とされる音声
「きょうの話は誰も知らない。これは俺も共犯というか。それで泉田さん、勝とうさ。どう思うね」
泉田議員の音声
「小選挙区で勝つかどうかで、全然違いますもんね」
星野県議とされる音声
「もしさ、比例でひっかからなかったら、終わりだよ。2000万や3000万出すのにもったいながったら、人生終わるよ。いちいち警察に報告してやるわけじゃないんだから」
泉田議員の音声
「うーん」
泉田議員が4年前の衆院選に立候補した際も、星野県議から後押しされるなど、2人は蜜月関係でした。
星野県議とされる音声
「とにかく必要経費を早くまこう」
泉田議員の音声
「うーん、うーん」
星野県議とされる音声
「もう余裕がない。選挙始まってからなんて、バカいない。早くしないと、あとで悔いが残ると」
泉田議員の音声
「広島で(河井夫妻の買収事件が)あったでしょう」
星野県議とされる音声
「そんなこと言ったらきりがねえから。そういう世界なんだから」
◇
星野県議は、1日時点では──
自民党 星野伊佐夫県議
「証拠出ました?出ないでしょ?」
Q.音声があると…。
自民党 星野伊佐夫県議
「出ないでしょ?ないんだもん、出るわけないよね」
しかし、音声が公開されることを知ると──
自民党 星野伊佐夫県議
「自分が言ったこと、言われたこと、ぜーんぶ思い出しましたから、全て!」
一転、泉田議員とのやりとりを「全部思い出した」と発言しました。
Q.覚えている中で、お金に関する発言はあった?
自民党 星野伊佐夫県議
「だから、ある」
Q.その意図は。
自民党 星野伊佐夫県議
「『選挙っていくらくらいかかるんですか』と。『こんなもんだろう』と」
Q.政治活動のためのお金?
自民党 星野伊佐夫県議
「そう、そう、そう、そう、そう。郵便局だとか、印刷とか」
Q.裏金の発言はなかった?
自民党 星野伊佐夫県議
「あれば記者会見しませんよ」
3日午後、開いた会見でも──
自民党 星野伊佐夫県議
「表のお金ですよ。裏金の話じゃないですよ。全く関係ない作り話」
Q.全くやっていない?
自民党 星野伊佐夫県議
「やっていない!」
選挙にかかる費用について話はしたものの、「裏金は要求していない」と否定しました。
記者会見終了後、記者が公開された音声を本人に聞いてもらいましたが、
Q.ご自分の声ですか?
自民党 星野伊佐夫県議
「わからねーな」
Q.泉田議員とのやりとりか、どうか。
自民党 星野伊佐夫県議
「わからない」
一方、泉田議員は「ウソが入ってくるというのは、ちょっと残念だなと。あんた1人の腹に収めて、それで有力者に金払えというのは、どうやったら表の金になるんでしょう?」と星野県議の主張に反論しました。
(12月4日放送『news zero』より)