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2021年12月23日 17:19

国会委員会開かれずとも委員長には日当と車

国会委員会開かれずとも委員長には日当と車
(c)NNN

衆議院に設置されている9つの「特別委員会」。日本維新の会は「特別委員会は実質的な審議時間は少ないのに、委員長に手当や公用車がつくのは、税金の無駄遣いだ」などとして見直しを訴えている。国会では各党が協議を行ってきたが、臨時国会では結論は出ず、議論は来年の通常国会に持ち越された。
(日本テレビ報道局政治部 野党担当・川上 泰)

■衆議院特別委員会とは

常設の常任委員会とは別に、国会の開会に合わせて設置が決まる衆議院の「特別委員会」。現在は「災害対策」「倫理選挙」「沖縄北方」「拉致問題」「消費者問題」「科学技術」「震災復興」「原子力」「地方創生」と9つの委員会が設置されている。この特別委員会では文字通り、各テーマに沿って集中的に審議が行われることになっている。

■「特別委員会」の見直しの議論

日本維新の会は、特別委員会の開催実績や審議時間が少ないことを問題視。“スクラップアンドビルド”、つまり委員会の「統廃合」が必要だとして、テーマが重なる常任委員会との統合などを訴えてきた。

日本維新の会によると、今年1月18日~6月16日まで150日間にわたり開かれた通常国会で、特別委員会で実質的に審議が行われたのは「災害対策」6回、「倫理選挙」2回、「沖縄北方」2回、「拉致問題」2回、「消費者問題」9回、「科学技術」3回、「震災復興」2回、「原子力」3回、「地方創生」5回だった。

また、今月6日から21日まで開かれた16日間の臨時国会は、全ての特別委員会で実質的な審議は行われなかった。

こうした状況にもかかわらず、特別委員会の委員長には国会開会中、委員会開催の有無にかかわらず日当6000円が支払われるほか、専用の公用車も用意される。

そのため、日本維新の会は「日当や公用車は“委員長特権”で税金の無駄遣いだ」と主張し、国会では特別委員会のあり方について各党による協議が行われてきた。

■特別委員会の見直しをめぐる動き

臨時国会閉会日となる今月21日、「科学技術・イノベーション推進特別委員会」の委員長をつとめる日本維新の会の井上英孝議員は、委員長を辞任した。

井上議員は、「(特別委員会が)設置された以上、委員長として開くべきと交渉してきたが開けなかった」「日当や車は、国民目線からするとずれている」などと辞任の理由を語った。井上議員は委員長の日当の受け取りを辞退したという。

また日本維新の会の遠藤敬国対委員長も、「特別委員会の改編、統合の議論がなされない状況の中で、身を切る覚悟を示す思いで辞任していただいた」と強調した。

臨時国会最後の衆議院議院運営委員会でも結論は出ず、各党が議論する場を作るという方向性を確認するにとどまった。特別委員会統廃合や委員長手当などについての議論は深まることなく国会は閉会し、議論は、来年の通常国会に持ち越される形となった。

■特別委員会の見直しなぜ進まぬ

なぜ協議は進まなかったのか。議院運営委員会に所属する立憲民主党の青柳陽一郎議員は、「引き続き協議を行って、通常国会前までには一定の結論を得たい」と語り、議論に前向きな姿勢を示した。

その一方で、「特別委員会には災害対策特別委員会など、何かあった場合に即座に開くべきものがある。開かれないからいらないという議論には、少し違和感を持っている」とも指摘した。

一方、自民党だが、福田達夫総務会長は会見で「(維新の主張は)一定程度聞くべきところはある」として「議論が進むことを望む」と述べた。

井上議員が特別委員会の委員長を辞任したことについては「委員会は委員長の職権で開くことはできた」と述べ、批判した。

今後の議論について、ある自民党幹部は「特別委員会をなくすには議論が必要だ。簡単にはなくせない」として、時間をかけて議論すべきとの考えを示している。

臨時国会では、特別委員会のあり方に加え国会議員に月額100万円が支給される文書通信交通滞在費をめぐる法改正など“国会改革”が焦点となったが、各党合意には至らなかった。

来年の通常国会では、臨時国会のような「時間切れ」という言い訳は通用しない。各党には、国民が納得する結果を出すことが求められる。