政治資金規正法改正案 焦点の一つ「政策活動費」各党に“温度差”
政治資金規正法改正案の実質的な審議が、衆議院の政治改革特別委員会でスタートしました。野党側は、政党から議員個人に支出され、使い道を公開する義務がない政策活動費について自民党側を追及しました。各党が出している政治資金規正法の改正案のポイントを整理しました。
焦点の1つとなっているのが、23日にも野党が自民党を追及した「政策活動費」です。
「政策活動費」は政党から議員個人に支払われるものです。そのもとになるのは、個人や企業団体からの献金などだと自民党は説明しています。国民に使い道を公開する義務がないことから“合法的な裏金”、あるいは“ブラックボックス”とも言われています。
これは自民党だけでなく野党も含めて議員に支払っているもので、2022年の1年間で、「日本維新の会」は約5000万円、「国民民主党」は6800万円、「立憲民主党」は1億2000万円。「自民党」は14億1630万円ということで、14億円を超えています。
自民党の金額が突出している印象です。中でも、自民党の二階元幹事長に対しては、幹事長時代に5年間で約50億円にものぼる金額が支払われたということです。これは、1時間あたり10万円以上が5年間にわたって支払われた計算になります。
今回、出された改正案では、各党に隔たりが出ています。裏金事件の当事者である自民党は、大まかな使いみちを項目ごとに公開することにとどまっています。
「立憲民主党」と「国民民主党」などが共同で提出した案では、そもそも禁止にする。
そして「日本維新の会」は、政策活動費のかわりに「特定支出」と呼ぶ新たな制度を設けます。議員に対し、年間に支払う金額の上限を定めた上で、プライバシーに配慮するため、10年後に使いみちが公表されます。