少子化対策「財源」で……首相が強調「実質的な追加負担なしは揺るぎない」 “先送り”否定 解散は「情勢見極めたい」に変化
岸田首相は13日の会見で、衆院解散を巡り「情勢をよく見極めたい」と述べました。5月21日には「考えていない」と話しており、発言に変化が見られます。少子化対策の財源に関しては「実質的な国民の追加負担はない」と繰り返し、先送りを否定しました。
岸田首相は13日夜、会見で「先送りのできない待ったなしの課題であるとの思いから、不退転の決意で取り組んでまいりました。2030年代に入るまでが、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスです」と強調しました。
この日閣議決定した「異次元の少子化対策」。その中身は、目玉となる「児童手当の拡充」の他、2026年度からの「出産費用の保険適用」や「男性育休の支援」、親が働いていなくても保育園などを利用できる「こども誰でも通園制度」の創設などです。
問題は、こうした対策のための年間3兆円台半ばもの財源をどう確保するのか。
岸田首相
「『財源について年末に先送り』との報道があります」
「歳出改革等を通じて財源を確保するにあたり、歳出改革の内容は毎年の予算編成を通じ具体化していくこととなりますが、実質的に追加負担を生じさせないことを目指すとの方針は揺るぎないものであり、先送りとのご指摘は適切ではないことを申し上げておきます」
実質的な国民の追加負担はない、と繰り返しました。
一方で、気になるのは岸田首相が国会会期末にも衆議院の解散に踏み切るのかどうかです。
――単刀直入にお伺いしますが、今の国会で衆議院を解散する考えは?
岸田首相
「今の通常国会、会期末間近になっていろんな動きがあることは見込まれます。よって情勢をよく見極めたいと考えております。そして現時点では、それ以上のことについてお答えすることは控えたいと考えます」
――内閣不信任案は解散の大義に?
岸田首相
「それについて現時点ではお答えすることは控えます」
こう答えた後、岸田首相はかすかに笑みを浮かべたようにも見えました。
広島市であった5月21日の会見では「今、解散総選挙については考えていない」と述べていた岸田首相。6月13日は「情勢をよく見極めたいと考えております」と答え、会期末までに解散に踏み切る可能性を排除しない考えを示しました。
(6月13日『news zero』より)