処理水の海洋放出準備は整ったのか 岸田首相、全漁連会長と面会へ
岸田首相は20日、福島第一原発の処理水の海洋放出を前に、現地を訪れ、放出設備などを視察しました。政治部の平本典昭・官邸キャップに聞きます。
──海洋放出に向けて準備は整ったという事なんでしょうか。
環境は整ってきているとは思いますが岸田首相にとって、最後に大きなハードルが待っています。それが、漁業関係者との協議なんです。岸田首相は21日にも全漁連の会長らと面会し、理解を求める考えです。
福島訪問後にある政府関係者に取材したところ、「この面会が最もハードルが高い」、別の官邸関係者は「一歩間違って、こじれれば放出時期にも影響する」と話しています。
政府内には「漁業関係者の理解はほぼ得られている」という声もありますが、海洋放出で仕事に影響が出る漁業関係者の理解を得られるかが一番のポイントというわけです。
──一方で、反発の根強かった地元福島や、海外の理解は得られたという事でしょうか。
こちらは、政府は「一定のメド」がついたとみています。ある政府関係者は、福島訪問の後、「地元の理解は得られたのでは」と話していました。
もう一つ、海外ですが、こちらは中国、韓国の反発は根強いですが、韓国の尹大統領は19日、放出に理解を示す発言をしています。ある外務省幹部も「説明は尽くした」との見方を示しています。
処理水の放出に向けて政権幹部は「地道にやるしかない」と説明を続けてきました。政府が月内の放出に向けて最終調整する中、次の漁業関係者との協議が最大の鍵を握りそうです。