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岸田首相、NATO首脳会議に出席へ「中国の脅威」強く訴える考え

2022年6月29日 17:25

岸田首相は日本時間の29日夜、日本の首相として初めて、NATO(=北大西洋条約機構)の首脳会議に出席します。現地・スペインから高柳裕美記者の報告です。

首脳会議ではNATOの「戦略概念」が12年ぶりに更新されます。岸田首相は各国首脳に中国の脅威を強く訴える考えで、この「戦略概念」にどう盛り込まれるかが焦点です。

岸田首相が初めて首脳会議に出席するのは、ウクライナ侵略への対応に加え、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、NATOとの連携を強化する狙いがあります。岸田首相周辺は「中国の海洋進出や不透明な軍事力の強化に対し、日本がNATOとの連携をしっかりと確認できるかがポイントだ」と指摘しています。

また、アメリカ政府高官は、「ヨーロッパの平和を粉々にしているロシアの脅威を厳しい言葉で表現する。中国による多面的課題を直接かつ明確に表現する」と話しています。

今回、採択される戦略概念には初めて「中国」についても盛り込まれる見通しとなっています。

また、首脳会議で岸田首相は北朝鮮の度重なるミサイル発射など日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることを踏まえ、防衛費増額など、防衛力を抜本的に強化する方針を伝える見通しです。

――岸田首相は、現地で韓国の尹錫悦大統領と会話を交わしたそうですが、どんな様子だったのでしょうか?

首脳会議に先立って岸田首相は、スペイン国王主催の晩さん会の際、尹錫悦大統領と3~4分、直接会話を交わしました。岸田首相は尹大統領に対し、「非常に厳しい日韓関係を健全な関係に戻すため、尽力してほしい」と述べたということです。

また、日本時間の29日夜には日米韓3か国の首脳会談が約4年9か月ぶりに開催されます。会談では核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応などが議論される見通しです。