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日韓首脳、初めて直接対話「懸案の早期解決を」関係改善の必要性に言及 スペインで

2022年6月29日 10:28

NATO(=北大西洋条約機構)首脳会議に合わせスペインを訪問している岸田総理大臣と韓国の尹錫悦大統領は28日、初めて直接対話し、日韓関係を改善する必要性などに言及しました。

これは29日午前、韓国大統領府が明らかにしたもので、岸田総理大臣と尹錫悦大統領は現地時間28日、スペイン国王が主催した晩餐会で3~4分、直接会話を交わしました。

発表によりますとまず岸田総理が尹大統領に近づき、大統領就任と統一地方選挙での与党勝利を祝ったのに対し、尹大統領も「参議院選挙で良い結果が出るように祈る」と応じたということです。

また、尹大統領は「参議院選挙が終わった後、韓日間の懸案を早期に解決し、未来志向的に進める考えを持っている」と伝達。

これに対し岸田総理は、「尹大統領が日韓関係のために努力することを知っている。日韓関係がさらに健全な関係に発展できるよう努力しよう」と述べたということです。

韓国大統領府の関係者によりますと、日本と韓国の正式な首脳会談は調整が行われていたものの、いわゆる元徴用工問題など歴史懸案で具体的な協議の進展がないことなどから、今回、開催は見送られる見通しです。

ただ、現地時間29日にはアメリカを交えた形での日米韓3か国の首脳会談が行われ、北朝鮮の核・ミサイル問題での連携などが議論される見通しです。

日韓関係をめぐっては、いわゆる元徴用工問題で三菱重工業や日本製鉄など日本企業の韓国国内資産の「現金化」が迫り、“最大の懸案”となっています。

こうした中、韓国外務省は来週にも専門家らを交えた「官民協力機構」を発足させ、問題の解決を急ぐ方針です。